第22話

 謁見の後何故か?広い部屋で待たされた。

 1人で待たされた為、不安になっていると。扉が開き

 「お疲れー」

 とザイスの声がして、ホッとした。

 そちらを向くと、S級パーティーの4人と魔法使いポイ人がいた。

 王様の話で、多分この人が第1王子ユリス様だと思うがわならない。

 後ろから付いてきた人を、部屋の外に行くよう指示を出し。

 大きいテーブルに、6人が席に付く。

 また、トラブルか?と身構える。

 「第1王子のユリスだ。カンタの街での件。協力感謝する」

 「私のような者に、多大なるお言葉。ありがとうございます」

 「ソウダイ。もっと崩して話しても大丈夫だぜ!」

 この部屋に、入る時から王族の前での態度はやばくない?

 と思っていると

 「ザイス程砕ける必要は無いが、媚びへつらう必要もない。無礼だと言わないので、普通に話して欲しい」

 と王子様に言われ周りを見るとマサヤが頷いてくれた。

 「ありがとうございます。あれ?タリスがいない?」

 と今更気づくと皆、苦笑いに

 「多分第2王子の所だぜ!ソウダイの事を報告してるんだろ」

 とザイスが言うと皆動きを止めた。

 「話たと思うが、タリスは第2王子の奴隷だ。一応王国の奴隷という事にはなっているがな。功績をあげる俺達に、恐怖を抱いたのかもしれない。その為、何をするのか監視の意味で付けられたみたいだ。」

 「マサヤ君の言う通りなのですが、優秀な斥候を手に入れたので是非使って欲しい。と頼まれて仲間にしたのです」

 「ユカリ。王様との謁見中に、乗り込んで来て、無理矢理が正しいだろう」

 「ザイスが、正しいかな?ユカリ!君付けは辞めてくれと何度も言ったじゃないか!」

 とマサヤが言うと『てへ』とユカリの動きを見て、こんなん惚れてまうやろなんて思った(笑)

 「タリスには、気を付けて欲しいとは思う。今の所報告するだけで、実害が無い為。様子見」

 とマサヤに言われ、頷いておく。

 「所で、なぜこの場にこのメンバーが集まったのですか?」

 「今の話でわかると思うが、ソウダイにも監視役が付けられる。可能性がある為心に留めて欲しいと言う事と。出来たら僕達側に付いて欲しい事。その話をしに来たのだ」

 とユリス様から言われ、第2王子派閥には間違いなく入らないが!でも、第1王子派閥にも入るつもりは無かった。

 巻き込まれるのはゴメンだという思いと!第1王子派閥も今の所信用できると言い切れない自分がいたからだ。

 「タリスの事は、信用してませんし。監視役は、まぁ何とか断ってみます。派閥に関しては、申し訳ありませんが暫らくは考えさせて欲しいです」

 と素直に伝える。

 「そうか。いつでも歓迎する。時間を取らせて悪かった」

 と言って第1王子は出ていった。

 「何だよ。一緒に派閥に入って、悪さしてる第2王子達を潰そうぜ」

 「なんで断るのですか?馬鹿なのですか?マサヤの行動に間違いが無いのです!だから入れば良いです」

 とザイスとパルマが薦めてくるが、

 「無理矢理は良くないよ。それに考えてくれるんだし」

 「そうですね」

 とマサヤとユカリは待ってくれるみたいだ。

 「取り敢えず出ますか?」


 5人で王城から出て、冒険者組合へ

 3階建ての建物で、広さも結構あり。

 中に入るとS級パーティーといる為。絡まれる事はないが、あいつだれっ?といった声が聞こえて来る。

 受付カウンターには、女性が6人いる。みんな可愛い(笑)

 真っ直ぐ進み目の前の女性に、マサヤが

 「ギルドマスターに、お話があるのですが」

 「S級パーティー。ラグナロクのマサヤ様。面会内容をお伺いしても、よろしいでしょう?」

 と初めてパーティー名を聞いた。てか、組合だから組合長じゃ無いんだ?

 「異世界人についてと、伝えて下されば伝わると思います」

 「承りました。確認してまいりますので少々お待ち下さい」

 と言って奥に行ってしまった。

 「マサヤ。組合だから組合長だと思ったんだけど?ギルドマスター?」

 「チョット長いんだけど、20年前まで。王国が、冒険者ギルドと商業ギルドを管理していた。でも、冒険者ギルドは、王国と言うか第2王子派閥と揉めて独立し、冒険者組合に変わった。」

 「ここでも第2王子が関係するのか?若く見えたけど何歳なんだ?」

 「今は、36歳。昔からワガママで!周りに操られていた事も考えられるが、よく分かっていない。」

 「他の国はどうなっているんだ?」

 「他の国は、冒険者ギルドだな。冒険者カードは一緒だからその辺も登録の時に聞くと良い。」

 「了解。説明ありがとう。マサヤ」

 「おっと。呼ばれるみたいだ」

 ザイスの声でカウンターを見ると、先程の女性が戻ってきた。

 「マサヤ様。ギルドマスターの部屋までお願い致します」

 と言われカウンター脇の階段から3階にあるアスターの部屋に向かう。

 扉を開けるとヒゲモジャの、おじさんがでっかい机の前で待っていた。

 「おう。そいつが例の英雄様かな?」

 と言われ、周りを見ると俺を皆見ていた。

 「へ?」

 と間抜けな声を、あげると。

 「なんだ。知らないのか?3年前の事件で、世話になった人の娘を助ける為に、千人を相手に立ち向かった。そして取り戻した英雄。1部でそう呼ばれてるぞ」

 「イヤイヤイヤ。ナイナイ。1人じゃないし!ここにいるS級パーティーやボンドさん達。それにサリーもいたから」

 「私達は、それ程活躍して無いと思いますよ」

 「えー!ユカリさんそりゃ無いでしょう。俺なんて何にも役に立って無いし。倒したのも雑魚だけですよ!」

 「今更だな。それより、マサヤこいつはこっち側か?」

 「残念ながらどちらでもありません」

 とマサヤが言うと、マスターは肩を落とした。

 「そうか。最近の商業ギルドの動きを見ると、戦力が欲しかったのだが仕方ないな」

 「すみません。第2王子が嫌いなのは間違いありませんが。だから第1王子に付くとは言えなくて。それに長くここに居るとも限りませんので」

 「そうなのか?村に戻るとか?」

 「クレナイ王国だけで無く。他の国にも、行ってみたいので。ギルドマスターの力になれず、申し訳ありません」

 「気にしないでくれ。冒険者登録だったな。1階のカウンターにいるラミに、話をしてあるからそこでしてくれ」

 「ソウダイ。先程の女性」

 向かおうとすると、話があるからと皆は残った。

 

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