第15話

 門前近くで歩く事にし、近づいて行くと薄暗くなってきたせいか、槍を向けられたので

 「カンタ様バンザイ」

 と慌てて言った!すると、すぐに警戒が解かれた(笑)それでいいのかと思いながら通るとサリーに槍が向けられ

 「俺の奴隷だ」

 と言うと槍を引いてくれた。

 2件目の家を過ぎた辺りでサリーが

 「一番大きいのがカンタ様のお屋敷で、正面からは通して貰えないので、右奥にある隠し扉から潜入しましょう。そこを右へ」

 と小声で言われた。

 怪しまれないように、あまり周りを見ないように、言われた通りに進むと、襟首を捕まれ『グェ』と声が出た。

 「ここです」

 と壁を叩く。すると、一部がずれて中に入れる隙間があらわれる。

 サリーが中に入ろうとするが、お尻が引っかかる。

 モゾモゾしてるので、

 「押そうか?」

 「変態」

 と言われ思わず蹴った!

 すると抜けられたようだ(笑)

 俺は体がまだ小さい為簡単に通れた。

 「何するんですか?」

 「何となく」

 「蹴ったでしょ!まったく!可能性として、2階のあの部屋か地下の牢屋のどちらかだと思います」

 と指差す部屋を見るが、いるのかわからない。

 多分カンタの部屋なのだろうが、行けば騒ぎになるし地下からかな?と考えていたら

 「もう少しここにいて、寝静まってから屋敷の中に行きましょう」

 と言われすぐに行きたいが、計画性が無く、感情で動いてしまう自分より冷静なサリーの考えに従う。

 「そういえば、援軍なんて来るのか?」

 「ボンドさんは聞けば間違いなく来ることでしょう。タンタの方は、正直わかりません。ジャストミートパーティーは、見つかればすぐに駆けつけるかと思います」

 「そのジャストミートパーティーて異世界人じゃない?それと来るってなんでわかるの?」

 「そうですね。リーダーの魔法使いは、ファイアー様。後は、剣士のタロウ様2人は異世界人で残り3名は獣種族の女性だったかと。今回カンタ様は王様を殺そうと企んでいると言う情報や違法取引の疑いがあり、ジャストミートパーティーが調べていたので今回の事を伝えれば協力してくれると思われます」

 「ネタ職?まぁいいや。てか、その情報も猫娘が調べたの?」

 「今回の情報は、あちら様から接触して来た為知っていました」

 「サリーが凄いのは、解るんだけど王様の密偵か何かしてるの?」

 「いいえ。しておりませんが偶に調べ事など頼まれます。勇者様が、生きていた当時は調べ事は、私の仕事でしたので」

 「勇者様はどうして亡くなってしまったの?」

 「魔王と名乗る異世界人との戦いで相打ちとなりました。私は弱かったので参戦せずに、未だ死ねずにおります」

 なんか重たい空気になりこれ以上は聞けないかなと、思うと

 「もう百年も前の話です」

 「え?」

 「あっという間でした」

 「何歳なの?てかメイドじゃ無くても化け物?」

 「失礼過ぎませんかこう見えて200歳です獣種族、龍族の血が流れていますのでまだ若いのです」

 「獣種族だったの?何処か龍の部分があるの?」

 「それは内緒です」

 小腹が空き、バッグから果物を出して食べる。サリーも同じ物でバナナだと思う。

 こちらの世界は異世界とほぼ同じ物が多いが若干違う物があるので、困る時がある。

 こないだサイ君と一緒に、きのこ取りに行った時。イチゴに見えたので食べようとしたら、サイ君にそれ毒があるから食べちゃ駄目と教えて貰ったことがあり気をつけるようにしている。

 もうソロソロかなと、サリーを見ると

 「どちらから確認しますか?」

 「地下から行こう」

 とゆっくりと屋敷に向かう。

 裏側の出入り口から入ろうとするが、鍵がかかってるのか開かず違う入り口を探そうとするとサリーが普通に開けた。ドヤ顔だ(笑)

 サリーに先行して貰い付いていく。すると下に降りる階段を発見。だが、見張りがいる。

 悩んでいると、肩を叩かれ、あなたの出番ですよと言われた。

 さて、どうしたものか?

 1、普通に話し掛ける

 2、ダッシュを使い近づき瞬殺

 3、俺の出番じゃ無いと言う

 悩んだ末2番にした。(殺してないよ!腹パン)

 下に、降りると扉があり、開けるのはサリーに任せて突っ込む準備をする。

 『ガン』

 結構な音がして開いたと同時に低い姿勢で走る。

 1人牢屋の前で、イスに座っていたが音に気が付き立ち上がる。

 腰の剣を抜く前に顔を殴った!

 相手は倒れたので、うつ伏せにすると、サリーが縄を投げて来るのでそれで手足を後ろで縛る。

 ひと息ついて、牢屋の中を見ると1つは子供ばかりの牢屋、1つは、女性ばかりの牢屋、最後にボロボロの男性ばかりの牢屋。

 結構な人数で、まず娘さんを探そうとするが、会った事も名前も知らない事に(笑)今更気づくが、サリーがあちらに居ますと指差すのでホッとした。

 さて、どうしようかと思っていたら階段を、降りてくる音がした。慌てて扉に向かう。

 「何者だ」

 「うるせー」

 と、走りながら飛び蹴りをするが、相手は一人では無く仲間を呼びにもう一人が上に行く。

 サリーに上で暴れてくるから後を頼む。返事を聞く前に階段を駆け上がると、すでに5、6人が剣を構えていた。

 事前に用意していた。風の魔石を、正面の相手に魔力を込め投げた。

 台風をイメージして、投げた魔石はぶつかると相手を3メートル位吹き飛ばす。

 右端の一人が悲鳴を上げ剣を落としたので、そいつに向かいツッコミ飛び蹴りする。

 蹴った後すぐに立ち上がり、駆け出す。

 後ろからくる奴らに風の魔石を、同じように投げつける。3度目位で、反対側からも人が来る。挟まれるとまずいと思い、近くの扉を蹴り飛ばし中に入ると、客間?なのか長テーブルと何個もイスが並んでいた。

 テーブルの下をすり抜け、10数人とテーブルを挟んで向かい合う。

 反対側は、窓になっていて食事中、外の花々を眺める事が出来るようになっていた。

 テーブル側に水の魔石を3つ川をイメージして投げる。反対側に風の魔石を投げる。3人水に流され、窓ガラスは何枚か割れる。

 同じくテーブル側に水の魔石を3つまた投げ反対側に火の魔石を3つ投げる。

 花々は燃え始め、建物にも燃え移る勢いだ!

 それを見て、今度は、雷の魔石を3つ近づいて来た相手に投げる。

 ずっとギャーギャー喚いていた家臣?達が逃げ出す。

 安全?になったので、来た道を小走りに戻ろうとするとすぐに大きな男に道を塞がれる。

 「テメー何者だ?」

 「異世界人だ!」

 「こんな事して、ただで住むと思ってるのか?」

 「殺される前に、クソッタレのカンタと商人を殺してやる!」

 「ガキが、粋がってんじゃねぇ」

 と突っ込んできたので雷の魔石を3つ投げつけた!

 だが、避けられ突っ込んでくる!

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