第14話
重たい荷物のせいもあり、そこまで早くないがちゃんと付いてくるサリーにメイドって異世界だと凄いなーと、思っていた。
「ちなみに何が入ってるの?」
「内緒です」
「教えて貰えないと使い道とか作戦とか考えられないし」
「作戦なんて何も考えて無いですよね」
と、ジト目で見られ感情に任せて行動していた事に反省した。
「着替えと食料それに武器がそちらの袋に入っております」
「そっちは?」
「内緒で御座います」
「教える気は無さそうだけど、着替えるなら開けていい?ちょうど森に入る所だし、この辺で着替えながら荷物の確認を、したいのだけど」
「もう少し先に小屋があります。夕方なのでまだ使っている方は居ないかと。ただ暫くすると、どちらに行くにも夜になる為、使う方がいる可能性があります。もう少しスピードを上げていきましょう」
とスピードを上げるサリーに付いていくのがやっとだった。
小屋に付き、袋の中身を出す。
襲ってきた奴らが来ていたような、所々破けている上下の服と、泥だらけの靴、硬いパンと水筒、果物と乾燥させた肉?かな?それと70センチ位の剣(鞘付き)と、良くわからない物たち。
「これって、奴らの服?潜入するからかな?剣は、分かるけど他は何?」
「ソウダイ様は、異世界人なのに、この世界の魔法に興味を持たなかったのですか?店にもありましたよ!まったく、この石は魔導石で、火、水、風、雷の4つを各10個ご用意しました。」
と言われてもわからない。石が火や水になるのだろうか?てかその目といい、バカにし過ぎじゃない!
「魔導石は、石を持った状態で魔力を流し投げる事で発動します。実際見て頂いたほうが宜しいでしょう」
とサリーは、軽く石を一つなげる。すると落ちたタイミングで、高さ50センチ位に燃え上がる。
「オオー」と少し後ずさり見ていると、十秒位で消えた。
「スゲー!こいつがあれば楽勝じゃね!結構な石があるし、てか魔力?てMPの事?」
「そこからですか?何をやっていたのか?ただ走る馬鹿ですか?まず魔力=MPではありません。魔力はその威力に通じMPは使用上限とでも思っていて下さい!魔力は、レベルに比例すると言われています」
と言われそういえば今のステータって
ソウダイ
レベル 200
言語理解
走経験値
ダッシュ
恐怖体制
タックル
ジャンプ
HP20,000 MP10,000
いつの間にか200の大台に!てかジャンプって何?なんか俺のスキルっておかしくない?これがふつうなのかな?
取り敢えず1つ試してみたい!「どれが火の魔石?」
「ここに火と書いてあるように、見ればわかるのですが!」
となんかずっとバカにされてる気がする。気にせずそれを持つが魔力?てどうすんの?念じる?
「異世界人の方には、血液が流れているように魔力も体中に流れていると言えば伝わると聞きますがわかりますか?」
なる程。定番?取り敢えず感じる?事に。
ホント!マジだ!何かイメージ的に青い血?が流れてる風に感じる!
よし、これを石に流すイメージで、ライターの火をイメージして投げる。
ボンと音がなり三メートル位まで火が上がる。
「よし」
とガッツポーズしてドヤ顔でサリーを見ると
「何やってるんですか?今ので人が来るかもしれませんから荷物を纏め、すぐに移動します」
と怒られ、慌ててバッグに仕舞いサリーを追いかける。
「ソウダイ様はレベルいくつなのですか?まだ、異世界に来て一ヶ月も立っていないはずですし、この辺りは魔物も殆どいませんし」
「レベル200になってた。いっぱい走ったからね(笑)」
「な、ん、で!走ったからってレベルが上がるのですか?馬鹿ですか?」
「さっきからバカにし過ぎでしょ!てか馬鹿って言ってるし!これはスキル走経験値のおかげなんだ!俺は馬鹿じゃない!!!」
「走経験値?聞いた事もありませんが、走る事で経験値が得られると、異世界に来る時稀に、神様から1つ特別なスキルを授かる方がいますが、歩いたのではだめなのですか?」
「これは、俺が走るのが好きで猫に頼んで貰ったスキル!結構気に入ってる」
「猫?昔、歩くだけで経験値を得られる方がいましたが、何故走る必要があるのかわかりません。他に勇者とか剣豪とか大魔法使いとかなかったのですか?」
「神様か知らないけど俺があったのはクソ猫だ!アイツのせいで死んだのに謝まりもしないで!すぐ決めろって言うからそうなっちまったんだ!仕方無いだろ」
「やはり馬鹿なのですね。こんな残念な人の奴隷なんて失敗しました」
「嫌なら今から帰るか?一人でだって助け出す!」
「それは無謀です!仕方ないので今回は付き合いますが、その後は考えさせて頂きます」
「そうしろ」
とくだらない話をしているとタンタより大き目なカンタが見えて来た。
「で、どうやって入る?この格好なら普通に入れるのか?」
「入る時に、門番の前でカンタ様バンザイと言って下さい。手は挙げなくて大丈夫です。私は後ろを、歩きますので私の事を『奴隷だ』と言えばすんなり入れると思われます」
「カンタて人の名前なの?随分な貴族さまなんだな。それで何処を目指せばいんだ?てかここにいるんだろうか?」
「この町のルールはカンタ・サンダール様が作った物まともな人達は皆いなくなり税が集まらず最近周りの町に手を出していますがやり方が酷く、気に入らない・言う事を聞かない人達は奴隷にしてしまうとか。まず、連れて来られていれば屋敷の筈ですので屋敷に向かい忍び込むのが宜しいかと」
「了解だ!」
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