第6話

 あの猫のせいで異世界に転移する事になったが、未練がない分今の新しい人生を楽しもうと思う。

 最初は、あんな山頂に一人でふざけるなとも思ったがこの村に付き心が安らいだせいか余裕が出来た。

 まず気になっていたスキル『ダッシュ』『恐怖耐性』これは、最初になかったスキルで、ボンドに聞くとステータスは異世界から来た人間だけでなく皆見えるようだ。

 そして、スキルは経験したもしくは、達成したことで備わる事が出来るそうだが、必ずしも誰でも同じ事をすればスキルが取得できる訳ではなく、何を取得出来るかは神ぞ知る見たいな感じらしい。

 恐怖耐性はその名の通りだとして、ダッシュは普通に走るよりダッシュを使用と意識するとある意味瞬間移動見たいな速さで移動できる距離的には10メートル位が限界みたいで連続的には使えないようだ、成長すれば出来るようになるかは、わからないけど、、、

 そろそろ、暗くなり寝ようという事になりサイ君の部屋で一緒に眠った。

 弟ようで可愛く素直でホントに良い子だと思う。

 明日からは、走るスキルでレベルアップをして後ボンドさんやサイ君に恩返し出来るように出来ることを探そうと思う。

 目が覚めると知らない天井だと言いたかったが目の前にはサイ君の顔が(笑)何故か覗き込んでいて

 「おはよう」

 と伝えると嬉しそうに

 「おはようございます」

 と敬語で言われた。異世界の話を多少聞かせたせいか、おにちゃんと呼ばれるようになった。

 メッチャ可愛くて頭を撫でてしまう(笑)

 さて、朝食を済ませボンドさんは巡回に行くそうでサイ君は今日は、自分と一緒にいるそうだ。

 きのこ等の採取は週に一度位で良いらしい。

 昨日も今日もボンドさんが料理してくれた時薪を使っていた為薪割りをしようとサイ君に教えて貰い家の裏手へ、そこで斧を持ち振り上げる昔母の実家でやった事があったので、こつは解ってるつもりだが久々すぎて最初は外していたが直ぐに真ん中を捉え一撃で真っ二つに若い体って良いなーとしみじみ思いながら結構こなせた。

 お昼の時間だとボンドさんが呼びに来てくれて、ボンドさんにはお子さんがいる為いつも午前中のみ巡回をしているらしい。

 昼食後、走る事でレベルアップする事が出来る為同じ場所を走っていても怒られない場所があるか聞くと

 「何の冗談だ?ホントなのか?そんなスキルが、あるなんて初めて聞いたぞ(笑)なら、主様がいる山の反対方向の道を真っ直ぐ行くと隣町になる。そこは、ここより発展してるしもしよかったら買い物を頼みたい。」

 と言われ直ぐに行くと言うとまだ距離や道もわからないだろうから一度隣町に行けたら明日辺りに頼むと言われた。

 距離的に50キロ位らしいからもし疲れたなら途中で折り返して来るように言われた。

 普段は定期的に馬車で商人が運んで来るらしいが不定期で、あてに出来ないらしい。

 お昼だから、今からじゃ無理じゃないかと言われたが大丈夫ですと、どこから来るのかわからない自身で直ぐに出かけた。

 一応水筒?竹のような物で出来たのに水を入れサイ君が渡してくれたので頭をまた撫でた。

 どうも死ぬ前から癖で人の頭を撫でてしまう(笑)昔女性にしてしまい『セクハラですよ』と言われショックを受けヤメようとしたのだがどうも治らないものらしい(笑)

 さて、陸上経験者として行きは無理せずジョギングペースで向かい帰りはその時の体調に合わせてと考えながら景色を楽しみながら向かう。

 この道にも滅多に魔物や盗賊は出ないらしくジョギングを楽しんだ。

 レースのように人を抜いたりするのも好きだが、景色を楽しみながら走るのも好きだ。

 両側が木に囲まれた道が20キロくらいかな?その後両側が草原に変わり、30キロ近くジョギングしたが殆ど疲れもせずもっと早く走りたいと思っていた。

 帰りはダッシュも交え早めに帰る事を考えながら町中へここはちゃんと周りを木の板で囲ってあり(250センチかな?)門番がいた。

 緊張したが服装からすぐに異世界から来たものだとわかりボンドさんの家に厄介になっていると言うと驚かれたが、信用はして貰えたみたいだ。

 実は考えがありボンドさんが必要な物がわからないがお世話になるし勝手に色々買って帰ろうと思っていた。結構大きい町みたいで全部見て回りたいがあまり時間がない為、入口付近の歩いているだけで商品が見える店を回ることにしたが、ある建物の前でガードマンのように立つガタイのいい男がいる店が気になり入って見ることにした。

 「いらっしゃいませ~」

 とキレイな声のお嬢さんに声をかけられびっくりして何かお探しですか?の言葉で気になって店に入ったとは言えず、彼女が立つ横にバックが見えたので

 「バックを探しているが、他にも色々見てみたいと」

 と伝えると是非とすぐに返答があり、一つ一つ説明してくれた。

 やはり異世界らしく見た目の3倍も5倍も入る入れ物がある事に興味がわくが白金貨と言われ泣く泣く諦めた。

 一番驚いたのが最後の商品説明で、

 「最後に私は奴隷で白金貨3枚と安いですよ!」

 この言葉には驚いた!犯罪奴隷が多いと聞いたがこの子もなのだろうか?と思っていると

 「奴隷を販売するお店ではないのですがあなたからは、お金の匂いがしますので付いていきたいとの思いから口走ってしまいましたm(_ _)m」

 と言われても白金貨なんて持ってないし金の匂いなんてするかな?と手の匂いを嗅いだら笑われた。

 

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