第55話 開発の為の開発・横須賀港パンデミック
開発の為の開発・横須賀港パンデミック
1899年 10月
トランジスタ試作第1号が完成したのだが、あえなく失敗。
やはり、精密に成れば成る程に埃等の微細粒子を除去しなければならないようだ。
では無塵室を作ればいい、と考えて、フィルターを作らねば成らない事に気が付く。
このご時世、未だにタバコにフィルターが付いて居ない時代である、口つきタバコと言う物は有るが、吸い口を厚紙等で筒に加工しただけな物なのだ。
さて、フィルターか・・・どう開発した物だろうか・・・
先ずは化学繊維を開発せねばなるまい。
とは言え既にナイロン糸はこの技術省にて開発が終了して居るので、この繊維を極力細く作り上げて束にして行けばフィルターとして機能しそうではある。
問題はどう細くするかであるが、綿飴の機械のような物を頭に想像する、が、あのままでは絡まってしまって意味が無いのだ。
悩みに悩んだ結果、ダ〇ソンの掃除機の機構を思いつく。風圧で渦を作り、綿飴機のような構造の物から噴射した細いナイロンをすぐさまより上げて一本の糸としてしまう、こうしておけば細い状態で使う為にはよった時とは逆回しして解すだけだ、そして繊維が細ければ細い程、シャツ等にした時の肌触りであるとか、吸水性と言った機能が優れた物にもなるだろう。
早速、ナイロン研究をして居た部門にこの機構を図面に起こした物を持ち込み、作らせてみよう。
しかしそれだけではHEPAフィルターには程遠い物となる。
HEPAに近づける為には、グラスウールを開発する事が必要不可欠だ。
このグラスウールが確立出来れば、様々な分野に転用も可能であろうと思われるので何とか確立したい技術である。
しかしまぁ、一応はグラスウールの製法も聞きかじっては居たのですぐに実現出来るだろうが、ただしこれに関しては吾輩自らが幾つか工夫を凝らすしか無いかと思う。
次は工場の建物自体の内容を完全に変更しなければならなかった。
この時代の気密性技術ではかなり厳重にしないと成らないであろうと言う思いから3重エアロック構造、強力換気扇に強力エアガンを備えた部屋を用意する。衣服等の埃取に使用するエアガン用のエアタンクの圧搾エアにも埃が入らない様にやはりそこにもHEPAフィルターを装着しておかねば成らないであろう。
何だか最近、妙に冴えている気がする。
今迄は今の持てる技術だけでどうにかしようと言う考えしか無かったのだが、最近では今持てる技術の粋を使ってできる限り最新の技術をショートカットして築き上げる道を模索しては実現しようと言う方向に思考を持って行っても閃きやすい事に気付いて居た。
何か悪魔に変な手伝いをされて居る可能性も有るが、研究者を増やして来て自分の時間を持てるようになりつつあるので余裕が生まれたせいであろうと思う事にしている。
しかし、スパコンの性能を上げる為のトランジスタを開発したいだけで随分と遠回りをした気がしない事も無いなぁと正直思う。
こんな時は甘いケーキでも頂いて脳を活性化して考えを纏めるのが良いだろう。
帰宅の途中で元町に出来た洋菓子店に立ち寄ろうと思って居たが、耳を疑う様な事態が起こっていた。
東京湾中央埋め立て島より横浜軍港に着いたと同時にその一報は吾輩の元に届いた。
何と横須賀港に入って来た中華街の食材を輸送して来た清国からの輸送船でペストが発生し、そのまま入港して来てしまったと言う事だった。
このタイミングでなんと言う事をしてくれたものか。
大至急で横須賀港を封鎖し、北里君に連絡を取る事にした。
「もしもし? ああ、北里君、緊急事態だ、すぐに対処して欲しいのだが・・・」
「おや、どうしました、益田殿。」
「たった今吾輩の耳に入ったのだが、横須賀港に入港した清国からの貨物でペストが発生してしまいそのまま入港してしまったらしいのだ、治療薬を大量に必要とする、横須賀港は今封鎖して居るので海軍軍医に仮設の病床を用意させているので至急薬を用意して来て頂きたいのだ。」
「それは不味いですな、船で発生したのであれば船員は全員疑うべきでしょうし、何より恐らく既に横須賀港全体を消毒する必要性も有るのでは無いかと思います。」
「うむ・・・何か必要な物があったら吾輩に連絡を頂きたい、横浜軍港にて詰めて居るのでよろしく頼む。」
「判った、大至急支度を整えて野口君に行って貰おうと思う、彼ならば任せても安心だ、わしはここで、薬剤師と医師の陣頭指揮を執ります。」
「では至急最寄りの基地より無線機の貸し出しをさせよう、少々デカいが運搬用のトラックも陸軍の無線付きの物を出させるのでそれでいつでも連絡が取れる筈だ、横須賀基地には優秀な通信施設が有るので吾輩は今から移動しそこに詰める、連絡を密に取って迅速に行動出来るようにしよう。」
「判りました、全力で取り組ませて頂きます。
但し、パンデミック発生現場の横須賀へと向かうのなら、十分にを気を付けを。」
「ここには研究に使って居た不織布が沢山有る、4重位に重ねてマスクに摺れば直接感染は防げるだろう、後は衛生面に気を付けさえすれば間接感染も防げるのでは無いかな、消毒用に、ランプに使用して居たエタノールを消毒薬として流用すればいいかと思うが。」
「流石は益田殿、しかし不織布のマスクなんて素晴らしい発想を何処から?
我々もその予防方法を取らせて貰う事にしますよ、医師が感染しては元も子もありませんからな。」
あ、又なんか無意識にやらかした気がする・・・
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横須賀通信基地に到着して暫くすると、通信室に無線が入った。
「こちらは北里研究所、北里柴三郎です、聞こえますか、どうぞ。」
「こちらは運搬トラック隊の野口英世、感度良好であります、どうぞ。」
「こちらは横須賀通信隊、此方も感度良好、どうぞ。」
こんな事も有ろうかと用意して置いた通信施設と通信機が役に立った、これを小型化して如何にか航空機に搭載したいものだ。
「こちらは横浜港、益田修一准将、感度良好である、それでは状況開始する、どうぞ。」
「こちら横須賀港、現在病床の数が足りず、支援をお願いしたい次第であります、どうぞ。」
「横浜軍港より、目下都合良く入港して居た病院船を向かわせた、大概の物は揃うと思うのでしばし待たれよ、どうぞ。」
「おお、病院船が届くのであれば心強い限りです、非常に助かります、どうぞ。」
「北里です、病院船の設備をお教え願いたい、どうぞ。」
「帝国医科大の監修で用意した設備だが一通りは揃って居るだろうと思う、どうぞ。」
「こちらは帝国海軍病院船白鷹(はくたか)、総重量3550t、最大積載3200t、搭乗軍医18名、搭乗看護師45名、最大収容人数700人、病床550、生食点滴2t、注射器具2800組、酸素吸入機80、他にも必要な物があれば聞いて下さい、手術室等も存在しますが今回は必要無いかとは思いますので割愛させて頂きます、どうぞ。」
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こうして、予想を遥かに凌ぐ速度でペストは収束し、横須賀市内に漏れる事無く、事無きを得たのだが・・・その場の勢いで指揮を執る羽目になってしまった為に吾輩は収束迄の20日間横浜に缶詰めにされてしまったのだった、これにはさすがの吾輩もまいった。
「ふう、ようやく治まったか、やっと帰れるぞ、開発に詰めてても最長15日だったのに、通しで10日開発に詰めた後にそのまま20日、ひと月以上詰めてたぞ、流石にキツイ・・・」つい独り言で口に出る程だった。
これが令和の時代であったらとっくに過労死してても可笑しくは無いと思う、が、待てよ?
ひと月詰めててきつい程度なのに何故令和の時代には過労死等と言う事に成るのだろう・・・不思議だ。
暇があったら研究して見よう・・・
とにかく今はケーキを買って帰ってすぐに風呂に入ろう、その後5日位は休みを申請したい所だ。
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1899年 12月某日
肌寒くなった昨今、小春日和の某日、今回のペストの鎮静化に関わった者達を集めて慰安会をしてやろうと思い、横須賀港の敷地を使って大々的に一流シェフや寿司職人、余興の為の手品師や歌劇女優、歌舞伎役者等を呼び立食でのパーティーを開催する事にした。
こう言う所で大盤振舞いでもしないと吾輩は金の使い道が無くなって居た。
いくら使っても入って来る額の方が圧倒的にデカ過ぎるのだ。
しかも新型車や最新家電等も常に買い替えたりして居る物の全て揃ってしまって居てとうとう買う物も無くなって居たのだ、そもそも元の開発者は吾輩であるので結局自分の元に金が戻って来てしまうと言う寸法なので一向に減る事無く資産は増え続けていたのだ。
こうして居る間にも資産は増え続けている計算になるのだ。
ノーベルがノーベル賞等と言う物を作った意味が何だか分かったような気がする。
しかし此処は日本で有るが故に、1ドルあたりが360円に換算されてしまう上、通常の平民過程で2000円もあれば割と楽に生活出来る程の物価の時代であり、さらにその上に吾輩の特許となる物がこの前世の記憶を持ったままの逆行転生と言うチートによって圧倒的に発明品も多いので恐らくは前世での発明王ノーベルの数百倍は資産を持って居る事になる筈であった。
何気なく、ふと益田賞などと言うものを想像して、名前が締まらんな、等と思い苦笑してしまう。
「益田准将閣下、本日はお呼び頂き有難う御座います、私のような役者風情にお声を掛けて頂き有り難く存じます。」
「歌劇女優をそのように卑下してはなりません、我が弟等は現在対馬県で役者を育てながら劇場の建設に携わってまで劇作家になると言う自分の夢を追い求めておる次第、吾輩は娯楽は人生の糧であると考えて居るのでそのような差別はせぬよ。」
「有り難きお言葉です、今日は頂いたお給料に見合うだけの仕事はさせて頂きますわ。」
「あぁ、そうそう、君達の活躍の場は今現在劇場だけと言うのが残念だ、吾輩は今、映像を電波に乗せて配信する仕組みを開発中だ、これが完成すれば君達の職業ももっと稼げるようになるだろう、映像を電波で配信出来ればパトロンやスポンサーも増えるだろう、今のままでは君達役者は食って行くのにも苦労して居るとよく聞く。」
「そんな夢物語のような物が出来るのですか?他でも無い閣下のお言葉、疑いはしませんが、想像が付きません。」
「はっはっは、発明と言うのは一握りの知識と一握りの発想、そして多くの夢と多くの失敗、その失敗を後に生かせる観測を忘れなければ誰にでも出来るのだ。」
「では、我々歌舞伎役者にもそのような機会が出来ると言う事ですね、これは新時代の幕開けだな、第一回の放送日には是非私を出演させて頂きたいものですな。」
九代目市川團十郎が横から割って入って来た。
「これはこれは市川團十郎殿、歌舞伎界を引っ張る名実共にトップの方は流石に柔軟なお考えでらっしゃる、普通あまりにも突飛で新しすぎる物は忌み嫌われがちですが、ご理解が早い方がいらっしゃると助かります。」
「なぁに、益田准将閣下には及びますまい、それに儂などはただ新し物好きなだけです、我が目の黒い内にその新時代を見せて下さいませ、自分の目でそんな時代を見られれば思い残す事もありますまい。」
「ははは、思い残すなどと、未だそのようなお歳でも有りますまいに。」
「いやこれは失礼、兎に角心より楽しみにしておりますよ。」
「ああ、ようやくお会い出来た、お久し振りです、閣下。」
「ああ、野口君か、無線通信ではついこの前にも話して居たが顔を合わせるのは何年振りかね?
君も晴らしい功績を残して居るようだね、吾輩の見込んだだけの事は有ったな。」
「いえ、これも北里研究所への入所を押して下さった閣下のお陰です、本当に閣下へはいくら感謝してもし切れませんよ。」
「野口君と私の仲だ、閣下等と堅苦しい呼び方をしないで欲しいのだが・・・年も近いし、先輩程度の感覚で良いのだ。」
「そうはいきませんよ、こんなすごい席を用意して頂けるなんて思いも寄りませんでした。」
そこへ北里柴三郎も寄って来た。
「やぁ閣下、今回の采配御見事でした。」
「北里君迄閣下だなんて呼ばんでくれ給えよ、君達と吾輩の仲では無いか。」
「はっはっはっは、何を言いますか、聞きましたぞ、10日も開発の研究の為に詰めて居た直後で20日間も今回のペスト騒ぎで陣頭指揮を執りながら缶詰だったそうでは無いですか、そこまで出来る精神力には頭が下がる思いですよ、だからせめて敬意を払って閣下と呼ばせて頂きたいものだ。」
「なんだ、聞いてしまったのか、だがまぁしかし、流石にひと月もの間不休はきつかったのでな、直後より5日間の休みを頂いたよ。」
久しぶりの再会も兼ねてこうして笑いあったのであった。
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1900年1月
HEPAフィルター第1号は、グラスウールの精製が吾輩の持てる知識のフィードバックをフル活用した為に予定を大幅に前倒しする形で大方完成に至った、後は無塵室を作り其処へ完全にクリーニングを施した機材を運び入れれば良いのだが、規模の大きな無塵室の建設が非常に難しい。
規模の小さな無塵室を取り敢えず建てて見る事にした。
この無塵室に関しては東京湾中央埋め立て島では無く、空気と水の綺麗な箱根は芦ノ湖畔を選択する事になった。
但し、工業廃水を垂れ流して吾輩の知りうる過去の人災を再現する気は無いので汚水処理施設を併設する事にした。
深刻な汚染を産む可能性の高い工場にはこの汚水処理施設を建設する必要性を提唱した上で義務化するように帝国政府へと提案する事にしようとも心に誓いつつ、これより暫くは箱根に詰めてのトランジスタ開発の任に着かねば成らない為に、従業員用の寮と言うか、既婚者でも安心な家族で住める団地のような物もいずれは用意するつもりだ。
今は未だ試験制作で吾輩の他数名の助手のみの研究施設なので施設内に居住区を営設、生活に困らない程度の仮設売店も入る事になって居る。
吾輩も箱根宿の付近に家を建て、折角なので温泉を引き込み何時でも入れる露天風呂も用意した別邸宅とする事にした。
すると何処からそのような情報を聞きつけたのか、我が両親が突然やって来た。
箱根の邸宅に自分達の部屋を用意して欲しいと言って来たのだ。
まぁ、それは一向に構わないのだが、何処からと思って居たら、情報源は妻だった・・・
何時の間に母と仲良くなったのだろう・・・
母は温泉が楽しみだと非常にご機嫌だったので両親用の浴室と露天風呂も作らねば成らなくなりそうだ。
土地の買い付けは既に住んで居るので、整地と基礎の打ち込み迄は来月までには出来上がるだろう。
両親用の棟を新たな図面を起こして庭を縮小しよう。
日本庭園にしようと思って居たのだが、西洋かぶれな母が来るのであれば庭も薔薇等をあしらった西洋風の物に変えねばなるまい。
但し建物自体は吾輩は木造建築が好きなので、かなり和洋折衷な感じの邸宅となりそうだ。
まぁ、横浜の邸宅も専属の庭師が入って居るし、庭師を雇い入れてうまく調和させるように試行錯誤して貰おう。
急いで新たな図面を引き、宮大工等を手配せねばなるまい。
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1900年 5月
急ピッチで建築を進めた我が箱根邸が、概ね完成したと言う事で見に行く事になった。
妻は妙なテンションで娘を抱いたまま車に乗り込んで行った、見に行く気満々である。
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到着すると、既に両親が見に来ていた・・・何故だ、何処から情報が・・・
やはり妻からの情報で我々よりも早く出て来ていた様だ・・・あのなぁ・・・まぁ良いか・・・はぁ
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1900年 6月
史実通りに、義和団が北京市へと入城した、遂に日露戦争が回避不能となる、火種となる事象が起こってしまった。
21日、西太后が義和団を支持し宣戦布告をして来たのである。
宣戦布告を受けた国は以下の通りである。
英国、仏国、墺太利洪牙利帝国(オーストリア・ハンガリー帝国)、
伊国、独帝国、露連邦帝国、米合衆国、そして大日本帝国である。
8大列強に宣戦を布告して勝てる訳は無いのだが、何故このような暴挙を引き起こしたのかは諸説あるようだ。
英国より、アルフレッド・ガシリー大佐が8国連合軍総指揮官に成るが、露連邦帝国は反発し、勝手に満州へと出兵を開始した。
英国女王 アレクサンドリナ・ヴィクトリアは、これを受けて天皇陛下へと、出兵を要請した、6月23日である。
既に増援軍の準備を終えていた第二、第五揚陸艦隊及び第一第二第三艦隊は呉にて補給済みの為そのまま対馬県各軍港へと向けて移動を開始。
二つの揚陸艦隊に分乗した第一~第六機甲旅団、第二~第七砲兵旅団、第一~第五機動重歩兵旅団(戦闘車輛隊と重歩兵部隊を再編した新戦略旅団である)を対馬県にて下船させた後、艦砲射撃準備を進める事と成る。
朝鮮半島北部は清国であるが為に、既に義和団に渡って居るものと判断されたのだった。
そして何故か吾輩は、戦略参謀将校として参謀本部へと招聘された・・・絶対陛下のごり押しだろ、これ・・・最近俺の周りの老人ってこう言う勝手なのばっか・・・
しかし吾輩が戦略を立てたりするような必要性も感じられぬままに、機動力が売りの我が軍は、25日迄には北京市へと到達し、他国の援軍を待つ事も無くあっと言う間に戦局をひっくり返し始めていた。
何故ならば義和団の軍隊は、剣や弓と言った古臭い武器しか持ちえず、我が軍の戦闘車輛、180㎜自走榴弾砲、装甲車両から飛び出しては自動小銃や無反動砲で大打撃を与える重歩兵等の兵科に敵う筈も無いのだ。
独逸帝国軍、仏蘭西軍、英吉利軍、墺太利軍、露西亜連邦帝国軍が北京市へ到着する頃には既に戦局はほぼ決してしまって居た。
亜米利加合衆国軍は間に合うべくも無いと始めから出兵を控えていた、何故ならば日本の自動小銃の性能を知って居る唯一の国であるが故、本気で動いた大日本帝国に清のレトロ軍隊がどんなに逆立ちしても敵う筈も無いと読んで居たのだった。
合衆国の大方の予想通り、たったの十数個旅団で20万人の義和団を概ね制圧して居た。
あっと言う間に北京を奪還した大日本帝国陸軍は、すぐさま西太后を捕縛するまでに至ったのだった。7月5日であった。
これで他列強に大日本帝国軍の驚異的な強さが知れ渡る事と成ったのだ。
しかしやはり、そこに臍を曲げたのが露西亜連邦だったのである。
「ふん!あんなヘッポコ義和団を数日で無力化した位で何を驚く事があるのか!
半島南部を手に入れたのが我々であれば同じ事をする位簡単だろう!
むしろ我々の国力をもってすればもっと早く終結出来たのだ!」
レーニンは相変わらず怒って居たらしい。
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