第17話 な、なに…?(前編)
俺と幸牙君は、無事会社に着いた。社内には、社員複数人と、けいちゃんが居た。やはりけいちゃんは俺の目の保養だ。朝から姿を拝めるとか、本当に俺は幸せものだと思う。
「おはよーございまーす!」
俺は元気な声で挨拶をした。すると、社員のみんなが俺の方に首を向けて、「おはよう」と、返事を返してくれた。その時、1人の先輩社員が言った。
「あれ?今日は幸牙君と同伴出勤かい?」
「今日は偶然駅で幸牙君を発見したので、一緒に来たッス!」
「おぉ~そうなのかい。2人は駅一緒なんだね」
「そうみたいっすね!さて、今日も仕事頑張るっス!」
「お、おはようございます」
俺はいつも通り、会社に出社してきた。中には既に、幸牙や蒼哉君、部長も居た。
本当にみんな、朝早くから大変だよなぁ。
「おはよう、永太君」
「あ、お、おはようございます」
俺は部長に挨拶され、咄嗟に返事を返したものの、ガチガチの言葉になってしまった。俺のこの感じ、一生治らないのかな。治した方が後々便利だとは思うけど。
「あー仕事終わったー…」
何とか仕事を終わらせることが出来た。この後どうしようかな。特に予定もないんだけど。幸牙は何か予定でもあるのだろうか。予定無ければ一緒に帰りたいけど…。まぁいいや、とりあえずかえーー。
「ちょ、痛い痛い…って、幸牙?」
俺は何故か幸牙に腕を掴まれ、そのまま会社の出口の方へ引きずられていった。よく見ると、頬が赤い様な気がする。何故だろうか…。
すると突然、幸牙が出口の方向から向きを変える。向かった先は…トイレ?会社を出る前に済ませたいのかな?でも俺を連れてくる意味ある?そしてトイレに駆け込んだと思ったら、俺ごと個室に押し遣ってすぐに、鍵を閉めた。そのまま俺は蓋の閉まった洋式トイレの上に座り込んだ。
「ちょっ、強引な…うわっ!?」
突然、幸牙が俺の方に倒れる。ドン、と音を立てて、両腕を俺の後ろにある壁に手をつく。幸牙はどうやら、立っているのが困難らしく、その場でしゃがみ込んでしまった。そのせいで、幸牙と俺との顔の位置が近くなる。少し動いたらキスしてしまうんじゃないかと言う距離だ。すると、幸牙が掠れた声で言った。
「ぅ…えい、たぁ…」
「な、なに…?」
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