第13話 お時間よろしいですか?
蒼哉が居ない日と言うものは時間の流れが異様に早く感じる。あっという間に23時を回ってしまった。
「寝よう…」
蒼哉が居ないベッド。とても寂しさを感じる。俺は微かに蒼哉の匂いの残る、毛布とベッドの間に体を挟み込む。スマホのアラームをセットし、瞼を閉じた。そこから眠りにつくのに、そう時間は掛からなかった。
~翌日~
ピピッ、ピピッ。
「んん…」
あぁ…朝か…出社せねば…。俺はアラームを止め、起き上がる。グダグダと支度をし、朝飯を食べる。今日はトーストと目玉焼き。一人暮らしの朝飯と言えばこんな所だろう。
俺はテレビをつけ、ニュースを観る。そこには、興味深いタイトルが映っていた。
「同棲愛はYes?No?」
俺はその場で固まってしまった。同棲愛…か。これはダメ…なの…か?街の人のアンケート結果を纏めた円グラフが映し出される。そこには、Yes 38% No 62%、という結果だった。個人的には、あまりよく思われていないのだと思った。
No派の意見は、「子供が作れない」「世間一般的に見ておかしい」等だった。
確かにその気持ちも分かる。男女でないと子供は出来ないし、普通は男女がくっつくものだ。
でも、俺は…。
俺は…ゲイだ。雄である蒼哉が大好きだ。でも俺も雄だ。こういうのって…本人次第じゃないのか?誰を愛そうが、男が男を好きであろうが、女が女を好きであろうが、そんなのその人次第じゃないのか?自分は正常だと主張する
…俺は浮かない顔をしたまま、家を出た。
~9時13分~
みんな出社して来て、俺達はいつもの様に仕事をこなしていく。蒼哉が社員に優しく接している様子が見える。しかし、朝のことがあってか、あまり蒼哉の方を見れない。俺はそんな気持ちを心の奥底に残しながら、仕事をしていた。
すると。
「あ、あのっ、部長…」
突然、俺は声をかけられた。
「どうしたの?
この人は
「そ、その…仕事終わりに、話したい事があるのですが…お時間よろしいですか?」
耳を下げながら、横川君はそう言った。
「あ、あぁ分かった。時間空けとくよ」
「あっ、ありがとうございます…。そ、それではっ」
横川君は、お礼の言葉を述べると、すぐ仕事に戻っていってしまった。…話したい事ってなんだろう…。
仕事も終わり、俺は横川君の元へ歩いた。
「仕事お疲れ様、横川君」
「あっ、部長もお疲れ様です」
「んで、話したい事って何?」
「あっ…えっと…今、ここに誰もいません…よね?」
横川君が辺りを見回す。周りに聞かれてはまずいことなのだろうか。
「あ、あぁ。みんな帰ったと思うよ」
「そ、そうですか…じ、じゃあ、話しますね…」
横川君は、言葉途切れ途切れに、ゆっくりと口を開き出した。
「そ、その…俺、実は…」
「じ、実は?」
次に出てきた言葉に、俺は耳を疑った。
「…げ、ゲイ…なんです…」
「…え?」
横川君が…ゲイ?俺と…同じ?
「え…ゲイ、なの?」
「は、はい…」
横川君が、左手で右の二の腕を強く掴む。
「んで、俺…好きな人も…い、居るんです…」
「…だ、誰なのか、聞いてもいい?」
ま、まさか蒼哉…?そう考えると、次に聞く言葉が怖くなった。
「…同期の、
「杉皚君のことが…好きなんだ」
「は、はい…」
横川君が強く目を瞑る。やはり、こういう事を他人に打ち明けるというのは、とても怖い事なのだろう。
「そっか。話してくれてありがとう。ついでに、俺からもひとつ教えてあげるよ。」
「え、何ですか…?」
「実は…俺も、ゲイなんだよ」
「…え?」
あとがき
横川永太と杉皚幸牙のプロフィール
名前:
性別:雄
種族:猫
年齢:24
身長:172cm
体重:57kg
誕生日:10月27日
性格:ツンデレ
筆者による紹介:ちょっと無口な所がある猫獣人です。オレンジ色と白のツートンカラーなのが特徴。そして彼もホモ。啓二に続く、現在判明しているホモ2匹目。
名前:
性別:雄
種族:犬
年齢:24
身長:182cm
体重:67kg
誕生日:4月12日
性格:クール
筆者による紹介:女性社員からの人気の高いハスキー種の犬獣人。右目は青、左目はオレンジ色になっていて、体毛はグレーと白のツートンカラー。人と話すことをあまり好まないが、これは親の躾が問題である。
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