第14話 決まりな
俺は
どこにでもある様な会社に勤めている。そんな俺だが、俺は今、気になっている人がいる。
名前は
幼なじみとか、そういったものでは無いんだけど、何故か、運命的なものを感じたんだ。考えすぎな気はするけど。
それに…男が男を好いているのだ。それはおかしいだろうと。でもな…俺、女に興味無いし…。というか正確には永太にしか興味がないって感じか。…そもそも、俺はあまり人自体を好まない。親が「貴方の様なハイスペックな人が、他の奴と喋るんじゃない」なんて支離滅裂なこと言うから…。
本当は普通に皆と喋りたいが、俺が幼い頃からあの言葉を言われているせいで、骨の髄まで染み込んでしまい、中々この呪縛から逃れられない。でも唯一その呪縛を逃れたのが永太だ。 そういったところに惹かれたのかもしれない。でも俺は、何故か女性社員からの人気が高い。女性からモテてもなぁ…。俺が好きなのは永太しか居ないのに…。
はぁ…。
永太と付き合いたいな…。
俺の名前は、
とある会社に勤めてる猫獣人だ。
…あぁ、まただ。また無意識に目で追ってしまった。俺は、同じ会社に勤めている、
でも…俺と幸牙は男同士だし…ねぇ。世間的に見ても…ね?…でも俺には、心強い味方が出来た。それは、部長の虎島啓二さんだ。
実は、彼はホモだ(直球)。同期の蒼哉君のことが好きらしい。
部長が味方になってくれたのはとても心強い。別に戦う訳でもないんだけど。はぁ、今日も幸牙、かっこいいなぁ…。
幸牙と付き合いたいなぁ…。
「あっ」
2人は偶然、廊下の曲がり角で出会った。お互いにお互いのことを意識しているので、2人とも目を合わせられない。
「や、やぁ、幸牙」
「…ぉ、おう」
少々気まずい空気が流れる。その時、幸牙が口を開いた。
「あ、あのさ、今日、一緒に帰らねぇか?」
幸牙の低い声が、俺の鼓膜を振動させる。
「あ、う、うん。良いよ」
「…決まりな」
幸牙軽く微笑みながら、俺の横を通り過ぎていく。一緒に帰れると聞いて、変な期待をしてしまう。…絶対そんな事ないのに。
「お、おまたせ」
「…ん」
幸牙が会社の前でスマホをいじりながら待っていた。マジで一緒に帰れるんだ…。歩き出そうとしたその時。
「っ!」
え…俺の手を…握って…。幸牙が、俺の手を握ってきた。
「…行くぞ」
幸牙が頬を少し赤く染めて歩き出す。
…何で、幸牙は俺の手を…?
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