第3話 蒼哉の隣で
「ただいま」
と言って、俺は鍵を開けて家のドアを開く。思えば自分以外の人を家に入れるのは初めてかもしれない。俺は未だ泥酔している蒼哉を引きずりながら自室に運び込む。俺は蒼哉を持ち上げてベッドの上に寝かせた。あー重かった。
取り敢えず蒼哉を横にさせることに成功したので、一旦自室を出ようと振り向こうとしたところ、蒼哉が突然俺の腕を掴んできた。
「えっ、ど、どうしたの?」
「ぶちょお~」
呂律が回らないまま蒼哉が言葉を続ける。
「…だいしゅきですぅ…」
…え?今、なんて?
「えっ、そ、蒼哉っ、今っ」
すー…すー…。
俺がそこまで言いかけた所で、蒼哉が寝てしまった。心臓がバクバク鳴っているのが分かる。顔も真っ赤になっている様だ。
「…今、大好きって…言ってたよな…」
取り敢えず、俺は心を落ち着かせる為に風呂に入ることにした。蒼哉は爆睡しているので、朝まで起きることは無いだろう。明日会社休みで良かった。
俺はシャワーを浴びながら、さっきの言葉を頭の中で脳内再生していた。あの言葉を思い出すだけで、また顔が赤くなっていく。気づけば下の方で自分自身が硬く膨張していた。
「…っ///」
俺は、一応ソレを隠しながら風呂を出た。今の俺の状況を見られたら、間違いなく俺が気絶するからだ。
俺はさっさと着替えを済ませ、自室に戻る。良かった、蒼哉は爆睡してる。
…あっ。
俺は1つとんでもない事をしたことにようやく気づいた。俺はいつもこのベッドで寝ている。だが今、このベッドは蒼哉が使用済みだ。一人暮らしなので、当然布団など持っているわけが無い。
…はい、今夜は蒼哉と添い寝です。
やったぜ♡
じゃねぇよ俺!どうすんだこれ。でも床で寝る訳にも行かんし…。でも朝起きて俺が蒼哉と添い寝した事が蒼哉にバレたら…。
23時52分、俺は眠りについた。
蒼 哉 の 隣 で 。
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