第2話 歩けそう?
「お疲れ様、那岐原君」
「部長もお疲れ様ッス!」
俺達は仕事が終わると居酒屋へ向かった。まさか2人で飲みに行けるとは思っていなかった。そもそも彼は2人きりとかあまり好きじゃないと思っていた。社交的だし、大勢の人との方が楽しめるタイプなのかと思っていた。
まぁそう思っていた彼が今、こうして俺の横に居るんだ。
これが現実なのだろう。
「着いたよ」
無事に目的の居酒屋に着いた
「へぇ~ここが部長の行きつけの居酒屋ッスか!」
尻尾を左右に振りながら蒼哉が言う。尻尾ばたつかせてる蒼哉かわいい…。そして俺らは居酒屋の中に入っていった。
中はサラリーマンやOLなど、色々な人で賑わいを見せていた。
「いらっしゃいやせ~!」
店員さんが元気に声を張り上げる
「2名様ですね~こちらの席にどうぞ~!」
俺達は店員さんに案内されるがままテーブル席に座った。
「那岐原君ってお酒とか飲むの?」
「ん~たまにッスね。週2とかそれくらいッス。部長はお酒飲むんスか?」
返し方が上手すぎる。流石蒼哉。
「ほぼ毎日飲んでるね。お酒強いし」
「お酒強いんスか!俺お酒弱いんスよね~」
ちょっと意外だ、強いと思ってた。
と、良い感じに酔いが回ってきた頃で、そろそろお開きにしようと思った。
しかし…。
「ぶちょお~へへ…」
蒼 哉 が 完 全 に 酔 い つ ぶ れ て し ま っ た 。
俺がぐびぐび飲むからそれに便乗して飲んでしまった結果である。
「…那岐原君…歩けそう?」
「歩けないので部長の腕につかまらせてくださぁ~い」
と言ってきて、俺の左腕に捕まって来た。一生そこにくっついてて欲しい…。
ということで腕に引っ付いた蒼哉を引きずりつつ俺達は店を後にした。…このままの蒼哉を駅まで見送る訳にはいかないよな。
蒼哉の家は会社の最寄り駅から3つ隣の駅から徒歩5分程の距離にあるのだが、流石にベロンベロンの蒼哉をそこまで行かせるのは危険だ。
…俺ん家、行きますかぁ。俺の家は会社から徒歩10分程の距離にある。一晩だけなら…泊めてもいいよな?そもそも俺は1人暮らしだし、特に家に招き入れる心配は無いのだが…。…まぁうだうだ考えていても仕方がない。こういう時はノリと勢いだ、うん。
「那岐原君、しっかり俺に捕まっていろよ?」
「ふぁ~い」
俺は何とか家にたどり着いた。引っ付かれているせいで歩きづらかった。でも幸せだったので許します。そして俺達は俺が住んでいるマンションの中に入って行った。
啓二と蒼哉の家について
作中で少しだけ触れた2人の家の話。
どんな家に住んでいるのか?等の設定です。
☆啓二の家について
啓二の家は会社から徒歩10分程の距離にある15階建てのマンションです。
部屋は806号室。
一人暮らしなのにマンション暮しとか羨ましい(筆者の個人的な感想)
☆蒼哉の家について
蒼哉の家は
から徒歩5分程の距離にある5階建てのアパートです。
部屋は203号室。
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