誤字脱字報告についての私見

久野真一

誤字脱字は必然的に発生する

 初めましての方は初めまして。普段から読まれている方はこんばんは。ちょっと今日は、時々ネット小説界隈を賑わすネタである「誤字脱字」について語ってみたいと思います。


 とはいえ、誤字脱字の際のマナーとか、読者としてもう少し誤字脱字の報告の仕方を気をつけるべきでは。などなどについては既に語り尽くされた感があります。


 ただ、ネット小説家としても。あるいは技術屋として論文書いたり、雑誌記事執筆してお金もらっている身からしても「誤字脱字に対してナーバスになる作家さんの気持ちがよくわからない」というのが正直な思いです。


 ある程度の文章を書いているとわかることなのですが、誤字脱字があることは、まったくもって「恥ずかしいこと」ではありません。むしろ、一定の長さの文章を書けば「ほぼ必ず」誤字脱字は発生します。これは断言してもよくて、ある程度の長さ(たとえば10000文字オーバー)の文章を誤字脱字ゼロで書ける作家さんや物書きなんて人はこの世に存在していないと言っても過言ではありません。


 なぜ言い切れるかというと、そもそも誤字脱字が起きた時、見返しても書いた当人は「脳内で」都合よくミスを補正して読んでしまうんですよ。もちろん、推敲で見つかる間違いもありますが、自分自身の推敲だけだと絶対に間違いが見つからないケースがあります。


 人間は一定確率でミスをする生き物で、しかもミスをした本人はミスに気づきにくいうという割と本質的な問題もあります。だからこそ、公に出す文章はたとえば編集さんや企業の広報などによる誤字脱字のチェックがあります。文章書いた本人が誤字脱字を無くすなんて土台無理な事は商売でやってる人はみんなわかってるんです。


 さすがに、一ページに20個も誤字脱字があるような時は、その文章を書いた方の文章能力に問題ありなケースが多いですが。


 誤字脱字報告が来ても「およそこの世にあるプログラムにはバグがある」くらいどうしようもない話なので、淡々と修正すればいいはず、というのが私の意見です。変に傷ついても仕方ないし、もし書籍化デビューを検討されているのだったら、淡々と対応出来ないと辛いんじゃないかなと。書籍化作家さんでも誤字脱字拒否の方がいるというのを聞いたことがあり、そういう人大丈夫なのかなとか思いますが。


 ただ、なんで誤字脱字の指摘を拒否する作者さんがいるのかなと想像してみると、一番大きいのは「プライドの高さ」じゃないかと思います。普段の業務あるいはその他で日頃から誤字脱字の指摘に慣れていないので「ちょっとミスってたよ」という報告を「お前の日本語能力がなっとらん!」みたいな過剰なメッセージとして受けとってしまうんじゃないかなと。


 もしそうだとしたら、誤字脱字報告を全面拒否するユーザーさんの心理も説明出来る気がします。しかし、せっかく誤字脱字報告してもらっているのに、そういう人を(たとえば)ブロックするのは、自分で自作品の読者を減らしているわけで、とっても勿体ない。


 基本的には私は誤字脱字報告は無感情で、修正パッチが来たなくらいの気分で処理してますが(もちろん、誤字脱字報告自体は常にありがたく思っていますが、その瞬間ではほぼ機械的に処理するという意味ですね)、別にストーリー批判やキャラ批判と違って、何か重大な指摘が来たわけじゃないので(よっぽど妙な誤字脱字指摘してくる場合は除いて)淡々と対応した方が読み手にとっても書き手にとっても平和な気がします。


 まあ、カクヨムにも誤字脱字報告機能が無いせいで、読者の方に応援コメント欄で誤字脱字報告いただいてりして、お手を煩わせて申し訳有りませんという気持ちはあるのですが、この辺はなろうの誤字脱字報告システムが欲しいですね。


 とにかく、誤字脱字報告にもしナーバスになっている作家さんがいらっしゃったら「文章には誤字脱字が発生するのがむしろ必然」なので、ミスの指摘を気にする必要はないですよ、と言ってあげたいです。商業の文章だと編集さんがそういうのは指摘したりするのですが、ネット小説には普通は編集さんがいないので限界がありますし。

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