校了
みどりは寒い日なのにカフェテリアでアイスティを頼んだ。
「さむくない?」
「だいじょうぶなんです。暑いんですよ室内」
みどりの服装をみると、それ以上は
テーブルにはグラスとカップが置かれてその間にゲラを、比べて見えるように広げた。
「どれがいいかな?」
あおも少し困っていた。ゲラの数枚のイメージがあまり変わり映えしないけれど、どれといっていいほどのものが選びずらい。解像度や色調、画面構成のリズムの問題でもない。
みどりは数枚見て、
「うーん、やっぱりどれも変わらないんですよね――」
と、あおと同じ感想を持っていた。
「明るいのは印象が薄いから没、コントラストの強いのは、印象が暗くなって、色味が悪くなるので没――」
みどりは重ねていった。
「じゃあ、これどうだろう?」
あおは、
「原画とだいぶん変わってきましたね」
「これで山吹が許してくれたらいいけどな。――これはどう?」
あおは数枚のうちの青と緑の映える一枚を取り出して、みどりに見せた。
「これ……――」と言って、みどりも少し目にとめて考えるような姿勢になった。
「じゃあそれでいこうか、みどりさんも気を引いてくれたみたいだし」
「そうですね――、そうしたら、
「――ありがとう」
話が付くと、みどりは展示会へ戻っていった。
あおは家へ帰り、色調を変えたデータをみどりへ送った。
2月末まで、あおはまた
台割について、みどりから確認のメールがあった。
「台割通り構成を決めました。これで文芸誌の中身は完成になると思います。直しはありますか?――」
あおは読み手の目線で見て、見た目がごちゃごちゃするが気になったので、白紙の
何日かのやり取りの
「それではこれで
「
文学ゼミではお世話になっています。
ゼミ長をしています
この度は
誌の発行がいよいよ現実となって私も嬉しく思います。
3月20日に文学ゼミの打ち上げがあります。
参加の
かしこ」
続いてみどりからもメールがきた。
「あおさんおつかれさまです。
文学部打ち上げ、ぜひとも来てくださいね。私楽しみにしています。
色々とありましたが、やっと一息できて、
絶対来てくださいよ
みどり」
あおは文学ゼミのゼミ長にまず返事をした。
「
ありがとうございます。
文芸誌の編集はしていましたが、3月に入ってからは一度もお会いできていません。
打ち上げのお誘いは
参加しますので、その
よろしくお願いします。
そしてみどりにはこう返した。
「みどりさんおつかれさま。
打ち上げ、行かせていただきます。
誘ってくれてありがとう。みどりさんに会えるのを楽しみにしてます。
早く文芸誌、
あお」
O線の東口改札を地下へ降りると
「お
「
「ありがとう」
まさか
「君、いい店だねここは」
あおはその時の
「先に飲みましょうか」
席は
みどりは最後にやってきた。
「すみません」
それを見るやいなや
「やや、みどりさん。ほら、みどりさん、こっちへ来なさい」
「はい」とみどりは元気よく答えて、あおのとなりの席までやってきた。
「おつかれさまです」
「おつかれさま、色々ありがとうね」
「ホントです。いえあおさんには助けられっぱなしで」
「そんなことないけど……」
「いえいえ」
文芸誌の話を酒の
終電はいつなの? とあおはみどりに聞いた。
「私、遠いので早いんですよ」
みどりが来たのは8時を過ぎていた。
ふと、その時、あおはみどりから女性の血の匂いを嗅いだ。瞬間また桃色の
となりにいるみどりはすごく近く感じた。
そしてまた
ーーどうしたものだろう。
と、そういう気持ちになってしまうのだった。
時間になるとみどりはこういった。
「あおさん、私もう、帰ります」
それはあおを
ーー連れ
しかしもう夜も遅かった。ホテルへ行けば彼女は喜ぶのだろうか?
それも違うような気がした。
あおは
「ごめん、また」と言う事しかできなかった。
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