セミの鳴き声と日差しのやってくる頃
7月、文学部の教授のゼミへあおは
木曜の4限目まではあと30分あるが、この最後の200mはつらかったため、あおは少し早めに講義室へ向かうことにしていた。
昨晩メールでみどりは
「あお先輩、会えるのを楽しみにしています。この間見せていただいた卒業論文と制作品が素晴らしくて、私もあお先輩みたく、いいモノを作って卒業しようといろいろ勇気が湧きました。明日、ゼミよろしくお願いします。先生には話を通しておきました」
と、送ってきていた。
しかし例によって時間ギリギリに起きたあおはメールを返し
あおはどうにか時間を見つけて、みどりへ一つ謝罪を入れて、今日は学部生の前期リレー講義で今月はグラフィック科だったから忙しくてあまり連絡できないとの旨のメールを入れておいた。するとバイブがすぐに響いて、
「わかりました。ご連絡ありがとうございます。大変ですね」と返ってきた。
あおはまた瞬間、みどりの顔の
そして、
――何故だろうか。
と少し違和感のある感情を彼は思わずにはいられなかったのであった。
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