第14話奪われた唐揚げ。
「初恋の話? なんでこんなところに来て初恋の話をしたいんだ」
「それがすべての始まりだから」
なぜか頬を赤らめる鶴味。
「昔、私の誕生日の時に幸田とここに来たの。覚えてる?」
「確かそんな事もあったな」
「じゃ、幸田が私にしたことも覚えてる?」
鶴味にしたこと? 何だ。俺は何をしたんだ。
それが原因で鶴味はこうなったのか?
何なんだ一体。
「あ。その様子じゃ覚えてないね? いいよ。教えてあげる」
そう言いながら鶴味は俺の胸に抱きついてきた。
「幸田はね、昔は結構やんちゃな子だったんだよ。そのやんちゃ幸田が私の誕生日の時に大好きなここの唐揚げを食べちゃったんだ。勝手にね。それが原因で私は幸田のことが嫌いになった。でも、それじゃダメだと思った。幸田には良いところがたくさんある。結果、幸田の良いところをいっぱい見つけれた。そして気づいた。幸田を知るたび幸田のことを好きになっていく私がいるってことを。幸田に初恋をしたんだってことを。私と幸田の愛には周りをいつも付いて歩いていた琴見ちゃんが邪魔だったの。だから幸田から離すように仕向けたの」
は? てことは琴美がイジメられたのは元をたどれば俺のせいなのか?
なんだよそれ、意味わかんねーよ。
この先俺はどうすれば良いんだ? 謝るのか? 謝ってどうなる? 何をすればいい? 琴美にどうやって合えば良い? 俺はどうすれば。
「あれ? 心臓の鼓動がすごく早いよ?」
俺の胸に耳を当てる鶴味。
「やめろ……」
「汗もすごい出てる」
俺の手を握る鶴味。
「離してくれ……」
「そんな暗い顔しないで」
俺の耳元でそう囁く鶴味。
「やめろって言ってるだろ!」
俺は鶴味の腕をなぎ払い、うつむいたまま声を荒らげた。
「そんなこと言わないでよ――」
そして鶴味は俺の唇を奪った。
からあげ オレオ @oreo0815
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。からあげの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます