収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです

第161話説明

｢ブランドンの意見と食い違いがありますね…｣

疑うような眼差しでラピス大臣がこちらを見つめる。

｢なっ！あの男が嘘をついているに決まってます！｣

ファイさんが怒りに机を叩きながら立ち上がると…

｢本当にうるさいね…出ていくかい？｣

オバジ様がじろりと睨んだ。

｢ファイさん、大丈夫だから怒らなくていいですよ｣

私が苦笑して興奮するファイさんをなだめると…

｢ファイさん？｣

ラプス大臣とゴードン大臣が驚いて私を同時に見つめた。

｢あっ…｣

しまった…王子つけるの忘れた…

｢違う！ミラはまだ子供だから気軽に呼んでいいと私が許可したんだ！｣

ファイさんが慌てて言い訳をする。

｢それにしても王子としての威厳が…｣

ラプス大臣か渋い顔をしている。

｢まぁ本人がそう言ってるならいいでょう…で？話を戻すがどう食い違いが？｣

オバジ様が話を促すと

｢はい、ブランドンはこの子供が勝手に屋敷に侵入したので捕まえ、その際に逃げないように離れに閉じ込めておいたら…父のジェイコブが手を…出していたと…｣

少し語尾を濁した。

｢それだと不法侵入になるね…確かに捕らえられても文句は言えない…しかも相手は格上の貴族ときてる｣

ウンウンとラプス大臣が頷いている、しかし私は納得出来なかった。

｢うーん…それ違います。だって私その人に馬車に乗せられて連れていかれました。馬車の紋章も覚えています｣

その時に見た蛇の紋章の話をする。

｢それに馬車の御者さんに降ろして貰う時に手を差し出されました。なんだったら聞いてみてください｣

｢ロード…｣

オバジ様が声をかけるとロードが頷いて席を立つと部屋を出ていった…そして少しして戻って来ると

｢今確認させています｣

｢では話を続けよう。他に何か覚えていることはあるかな？｣

｢あとは…まぁ当然ですけどあのお屋敷大きかったので当然門番はいますよね？しかも行くまでに結構な距離があったし…私みたいな子供が一人であそこに行くのは無理がありませんか？｣

一番疑っていそうなラプス大臣に聞いてみた。

｢ま、まぁ…あそこは屋敷に行くまで一本道で確かに子供の足では…｣

椅子にプランと垂れ下がっている短い足を見せた。

｢階段上がるのも一苦労ですよ｣

｢そこはブランドンに一応確認してからだ…｣

ラプス大臣が目を逸らす、でももう向こうの言うことを疑っているように感じた。

私はにこりと笑うと

｢そうしてみて下さい｣

自信満々に頷いた。

｢ああ、それとなんかあの人達が私のお母さんの事も言ってました…｣

｢お母さん…？｣

｢私の…母はあの屋敷の娘だったメアリーと言います…まぁ顔も見た事ないんですけどね｣

｢それは本当かい？｣

オバジ様が驚きファイさんを見ている…ファイさんはコクリと頷いた。

｢黙っててすみません…私もあんまり知らない事なので…詳しい事はあの男の人が知ってると思います｣

ちょっと寂しそうな顔を見せると大人達が黙り込んだ。