収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです

第109話用意

｢じゃあパッドさん頑張ってくださいね！｣

ロジー達が手を振りながら屋台を引いて街へと向かう。

｢お店の宣伝しておきますから～｣

｢ああ頼む｣

パッドとミラとイーサン達はみんなを見送ると馬車に乗ってクロードさんの待つ店へと向かった。

プレオープンに向けて今日からお店に泊まり込みとなっていた。

店の前ではクロードがミラ達が来るのを待ち構えていた。

｢あっ！クロードさん！｣

ミラは馬車の中から手を振ると

｢おーいミラ！待ってたぞー｣

笑顔で出迎えた。

馬車からみんな降りるとクロードがニヤリと笑って店の外観を見せる。

｢どうだ？｣

ミラ達は店を見上げた、外観からはなんの店かわからずに中は見えない作りになっていた。

｢早速中も見てくれよ｣

クロードが中へと入ると最初に数脚のテーブルが並んでいる。

｢ここはファミリー向けのブロンズクラスの客用だ｣

シンプルでスッキリとした感じになっている、クロードさんがさらに奥に進むと今度は仕切りに区切られたテーブルが並ぶ。

｢ここはシルバークラスだ空間も一脚ずつゆったりとしている｣

ミラは仕切りの中を覗き込む。

｢ふーん…｣

ミラが唸るとクロードさんが心配そうに聞いてきた。

｢な、なんか要望と違うところがあるか？｣

｢あっううん！大丈夫だよあんな説明でここまでできて凄いなぁって思ってただけだから｣

ミラが笑うとクロードがほっとする。

｢ただ…｣

｢な、なんだよ！やっぱりなんかあるんじゃないか！｣

｢追加なだけね！椅子なんだけど…子供用に少し座る場所を高めにして欲しいな｣

そういうと椅子にミラが座ってみる。

｢ほら小さい子だとテーブルに顔しか出ないでしょ？｣

｢わ、わかった！至急作らせる｣

クロードは近くにいた従者に声をかけると従者は慌てて店を出ていった。

｢あと何かあるかい？｣

｢うーん…あとはお客さん入れて見ないとわかんないかな｣

｢よし、じゃあ何か気になった事があったらすぐに言えよ｣

｢はーい｣

｢じゃあ次は一番の目玉のゴールドクラスの部屋だ｣

そういうと奥にある扉に手をかけた。

｢ここは中からも入れるし人目につきたくなければ外からも入れる用になっている｣

｢いいですね！｣

ミラが楽しそうについて行く。

｢なんか秘密基地みたい｣

薄暗く完全個室となっていた。

｢廊下は薄暗いが部屋の中は暗くも出来るし明るくも調節可能だ｣

クロードさんが一部屋開けるとみんなで中に入る。

｢きれー！｣

ミラはまず目に入ったシャンデリに目が行く。

｢ミラの言う通り家具は最高級品だぞ、それに椅子ではなくてソファーにした、柔らかすぎると食べずらいみたいだから少し固めを選んだ｣

ミラがポンと座わってみる。

｢おお！いい座り心地！イーサン様も座ってみて｣

ミラは隣を開けると

｢どれ？｣

イーサンが笑ってミラの隣に座る。

｢椅子と違ってゆったりと出来ていいな、うちもこれにしようかな…｣

イーサンがソファーをポンポンと叩くと

｢それなら、並んでご飯食べれるね｣

ミラが笑いかけるのをとイーサンは笑って頷く。

そしてすぐにソファーの手配をした。