第57話黄金色のスープ
「でも無いししょうがないよね、あっしょうがも入れてみよう!」
ミラはしょうがもすりおろして入れてみた。
「おいおい、大丈夫か?」
ビオスさんはなんだが適当に入れている気がして不安になると
「大丈夫大丈夫、しょうがとかニンニクは何に入れても美味しいよ」
ミラがニコッと笑うと
「そうか」
ビオスは顔をデレッと蕩けさせると気にしていたことも忘れて食材を混ぜ合わせた。
力強いビオスさんの腕をじっと見ながら食材が混ざるのを見つめる。
「何見てる?間違ってるか?」
ビオスさんが聞くと
「ううん、ビオスさんの腕力すごいね!私もそんな風に強くなりたいな…」
みんなに手伝って貰ってばかりだし、みんなのお世話にならないように自分でやってみたい。
そんなミラの思いに
「ミラはそのままでいいんだ、俺達は好きでお前の手伝いをしてるんだから。それにそんな事を言ったらジョンが寂しくて泣くかもしれんぞ」
「えっ…」
ジョンさんが泣く?そんな事で?
ミラは想像出来なくて眉を下げた。
ビオスさんのおかげで食材がいい感じに混ざるとフライパンで焼いていく。
「形を整えて…この前のコロッケみたいで大丈夫です。真ん中が膨れるから少しだけくぼみつけて…」
温めたフライパンに並べていく。
火が危ないからとビオスさんに少し離されて様子を見ている。
「焼き色がついたらひっくり返して蓋で蒸せばいいかも」
「わかった」
ビオスさんは様子を見ながらひっくり返した。
いい感じに焼き色がついてお皿に取ると…
「ソース忘れてた…大豆だからさっぱり系がいいかな…えっと確か貰った食材に…」
ミラは椅子からぴょんと降りると食材を探しに行ってしまった。
そして何か持って戻ってくると
「ビオスさん!これすろう!」
ビオスさんに大根を見せた!
これくらいなら手伝えるとミラもビオスさんの隣で小さな大根の塊をすりおろす。
隣ではまるまる一本をすごい勢いでビオスさんがすっているが見ないふり…
やっと塊が無くなり汗を拭うと…隣には山のような大根おろしが出来ていた…
自分のちょこっとの大根おろしを見てやはり不甲斐なさを感じる。
そっとビオスさんのに混ぜようとすると…
「ま、まて!」
ビオスさんが慌てて止めた!
「私の少しだからビオスさんのに混ぜちゃうよ…」
説明すると
「大丈夫だ…これは俺用…あっいや…後で使うからな」
ビオスさんはミラのすった大根おろしを大事そうにしまってしまった。
「後はスープを完成させれば終わりだね!」
ミラは気を取り直してビオスさんに聞くと
「ああ、ずっと煮込んでおいたぞ。アクも取って量は半分程になったが綺麗な色になった」
ミラを抱き上げて鍋を覗き込むと、そこには黄金色のコンソメスープが出来ていた!
「わー!これだけでも美味しそう!」
ミラのヨダレが思わず鍋に入りそうになる。
「もったいないからスープは二種類出そうか?」
ミラの提案にビオスは頷いた。
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