第58話コーンスープ

ビオスとミラは看守達から貰った食材にトウモロコシを見つけるとそれでコーンスープを作ることにした。


「生で作れるなんてすごいね!コンソメスープもあるしすっごい美味しいスープになるよ!」


ミラが興奮していると


「生と乾燥でそんなに違うか?」


ビオスさんが首を傾げる。


「それは飲んでみてのお楽しみ!」


ミラ達は昨日と同じようにコーンスープを作る。


今まで作った料理を一つのお盆に並べると


「豪華だな!」


「うん!」


ビオスとミラは満足そうに笑い合う。


大豆と肉の大根おろしソースハンバーグにコーンスープとコンソメスープ、そしてふかふかのパン!


これならみんな喜んでくれるだろう!


「ちょっとサラダが足りないかな?」


ミラは採れたての野菜からキュウリと大根、人参を取るとよく洗ってビオスさんに細くステック状に切って貰う。


お皿ではなくてコップに差すと…


「えっ?それで終わりか?」


「うん、後はこの前作ったマヨネーズに確か味噌ってあったよね?」


「ああ、これだろ?この臭いやつ…」


ビオスさんが苦手そうに手渡す。


その様子にミラは苦笑した。


「美味しいのに…今度味噌汁作ろうね」


「えっ!コレで汁…」


ビオスさんはさすがのミラの料理でも食べられるか自信がなかった…


ミラは構わずに味噌とマヨネーズを合わせて混ぜると野菜スティックの隣には置く。


ひとつとって味噌マヨディップにつけるとビオスさんに渡す。


自分の分も取るとパリッ!といい音をさせてかぶりついた。


みずみずしいきゅうりに味噌とマヨネーズのディップがよく合う!


「う~ん!美味しいよ」


ミラの美味しそうな顔にビオスも恐る恐る口をあける…その顔に似合わず少しだけかじった。


「ん?美味い…」


ビオスさんが驚いた顔で味噌マヨを見つめる。


「でしょ?」


ミラはもう一付けと味噌マヨをすくった。


こうして料理が完成すると…後は…どうすりゃいいんだ?


ローガンさんに作って欲しいと頼まれて作り始め…楽しくて目的を忘れそうになっていた。


「あれ?これ誰に渡せばハーパーさんが帰ってくるの?」


ミラは思わずビオスさんを見つめた。


「確かローガンさんは看守に作ってやれって…それであの人達食べて…お野菜貰って…あれ?もう作らなくてもハーパーさん帰ってくるんじゃ!」


ミラが顔を輝かせる。


「じゃあとりあえずこれはローガンに報告しておくわ、ミラはここんとことずっと手伝って疲れただろ?今日はもうゆっくり休みな」


ビオスさんに片付けはいいからと言われる。


確かにここの所気を張って作っていたから完成して少しほっとしたら眠くなってきた…


ミラはじゃあ少しだけ…とこの前ビオスさんが倒れた時に作った簡易ベッドで横にならせて貰った。

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