第35話親子

その夜はジョンさんとジョンさんのベッドに隠れるようにして眠った。


気持ち良さそに眠るミラを見ていると、看守の巡回が終わったはずなのに牢屋に近づいてくる人影があった…


そっとミラを隠すと、見知った顔が見えた。


「ローガン…」


ローガンがミラとジョンの様子を心配して確認に来たようだ。


「無事会えたようですね」


ローガンがホッとしたように眠るミラを見つめると


「どうやって抜け出したんだ…」


こんな時間にここに来ていることに驚くと


「ハーパーにちょっと協力してもらいました。あなたを待つと言うミラが心配で見ていましたが…大丈夫そうですね」


「色々と…すまなかったな」


ジョンがしおらしく謝ると


「全くです、この借りは大きいですよ」


ローガンが睨みつける。


するとミラが寝返りをうった…起こしてしまったのかと二人は固まると…


「ん~…ジョンしゃん…ローガンしゃん…ケンカやだよ…」


どんな夢を見ているのか笑いながら寝言を言っている…


「今回は…ミラに免じて許します…が!次はないですよ。これ以上ミラを泣かすようなら私の牢屋に住まわせますからね」


「わかった…」


「では、私は戻ります。明日食堂で…ちゃんとミラを連れてきて下さいね」


「ああ」


ジョンが頷くのを確認すると、ローガンは満足そうに頷いて暗闇の中へと消えて行った。


ジョンはスヤスヤと眠るミラにお礼を言うと柔らかい髪を撫でながら自分も心地よい眠りへと落ちていった。


久しぶりのジョンさんの温もりにミラは安心して眠りにつくことが出来た…久しぶりの安眠に早く起きてしまった。


うーんと伸びをして目を開けると隣にはジョンさんがまだ眠っている。


自分を優しく守るように抱きしめながら寝ていた…


ミラはジョンさんのほっぺを触ってみる。


自分がよく触られるのでなんかいいもんなのかとつついて見るが…


「かたい…」


引き締まったジョンさんの頬はつついても面白くなかった。


「なんで触るんだろ?」


首を傾げていると…


「そりゃミラに頬はぷにぷにだからだよ」


いつの間にか起きていたジョンさんが悩んでいたミラの頬をつついた。


「ジョンさん、おはよぉー」


「ああ、おはよう…ミラ、頬の赤みが残ってるな…どんだけ強くつねったんだよ」


心配そうに頬を撫でる。


「でももう痛くないよ?」


大丈夫と頬を見せると仕方なさそうにジョンさんは笑っていた。


少し早いが起きてしたくを整えて待っていると、巡回の看守が鍵を開けていく。


ゾロゾロと動きながら皆が眠そうに食堂に移動し始めた。


「じゃあ俺達も行くか」


ジョンさんがミラに手を差し出すと、ミラは嬉しそうにその手を掴んだ!

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