第34話約束…
しばらく空けていた牢屋だったが毎日掃除でもしててくれたのか…見回して見るが綺麗になっている事に気がつく。
座り慣れたベッドに腰掛けると
くぅ~…
なんだか聞きなれた音がする…
「まさか…」
ジョンはいつもミラが隠れる改造部屋を覗くと…
「ミラ…」
そこには気持ちよさそうに眠っているミラが猫のように丸くなっていた…
くぅくぅと寝息をたてて気持ち良さそに寝ている。独房に来た時の不安そうな表情はそこには見えなかった…
思わず手を伸ばすとぷにぷにのほっぺをつついてみる。
「ふにゃふにゃ…」
口を動かして何か呟いているミラに耳を
を近づけてみると…
「ジョンしゃん…」
自分の夢を見ているのか笑いながら名前を呼ばれる…
「可愛い奴め…」
ジョンは飽きることなくじっとミラを見続けていた…
ミラは気持ちいい温もりに包まれていると、ふっと目を開く。
そうだ…ジョンさんを待ってたんだ…
くかぁ~と口を大きく開けて欠伸をして体を伸ばすと…何かに手が当たる。
あれ?と思い周りを確認すると…
「おはよう、よく寝てたな」
ジョンさんが優しい顔で微笑みながら自分を見下ろしていた…
「ジョンさん…?」
なんでもういるんだ?まだ夢?
ミラは自分のほっぺをギュッとつまむと
「お、おい、何してるんだ!」
ジョンが慌ててミラの手を掴んだ。
「あれ?痛い…夢じゃない?」
赤くなってしまった頬をジョンが慌ててさすっていると…
「ジョンさん!」
ミラはギュッとジョンに抱きついた!
「もう!おかえり!ずっと待ってんだよ」
ゴシゴシとジョンさんの胸に顔を擦り付けてミラはジョンさんの温もりを確認する!
「ああ、ただいま。悪かったな一人にして」
ジョンさんは優しくミラの頭を撫でると
「一人じゃないよ…ローガンさんも、メイソンさんも、ハーパーもみんな一緒にいてくれた…でも…」
ミラは言葉を詰まらせると
「やっぱり…ジョンさんいなくて…寂しかった…」
じっとジョンさんを見上げる…
「はは…そうか…寂しかったか…」
ジョンさんはすまなそうにしながらもどこか嬉しそうにミラの赤くなった頬を撫でる。
「むぅ…なんで嬉しそうにするの!」
寂しかったのに嬉しそうにするジョンさんに思わずミラは頬を膨らませる。
「ミラが俺をそこまで頼ってくれてるのが嬉しくてな」
ジョンさんが笑ってそう言うと
「当たり前だよ…ジョンさん達は私の親みたいなもんだもん…」
「そうだな…悪かった。もう離れないようにする」
ジョンさんはそう言うとミラをギュッと、抱きしめた。
「ように?絶対じゃないの?」
ミラは腕の隙間からジョンさんを見上げると…
ジョンは笑うだけで否定も肯定もしなかった…
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