第31話真実
ミラは再びメイソンの牢屋に帰ってくると…
「それはどうした…」
「あーあ、派手に泣かされたね」
帰ってくるのを待っていてくれたメイソンとハーパーが出迎えてくれて、目が腫れているミラを見て一言もらした。
「えへへ…」
ミラが恥ずかしそうに笑うとメイソンとハーパーがミラの笑う姿に目を見開く!
二人はほっとしたように顔を崩してミラに近づいて行った。
「全く心配させて…困った子だな」
メイソンはそんな事を言いながらも嬉しそうにニコニコと笑っている。
「本当にね!悪い子はジョンと一緒に独房だよ!」
ハーパーがニヤッと笑って脅かすと
「ミラはいい子だから行かないもん」
いーと歯を出した。
「こいつ!生意気な!」
ハーパーは嬉しそうにミラを捕まえようとするとミラか嬉しそうに部屋の中を逃げる。
それをローガンがひょいと抱き上げると…
「ほら、お巫山戯はそこまでです。ミラ何か話があるんですよね?聞かせて貰えますか?」
ローガンがゆっくりと優しく聞くと
「うん…」
ミラは三人にジョンと同じ様に自分の前世の記憶が蘇った事を説明した…
「みんなと過ごした事もしっかり覚えてるんだけど…前の記憶もあるの…」
それでずっとどうしていいかわからずに悩んでいたと告白した。
「なんだ…」
メイソンはほっと息を吐いて体の力を抜いた…
「メイソンさん…」
ミラが伺うようにメイソンを見ると…
「別に俺達を嫌いになった訳じゃないんだな?」
「当たり前だよ!みんなの事大好きだもん…」
ミラが必死に否定すると
「だから言ったんだ僕は…ミラはそんな事思ってないって!」
ハーパーが知っていたとばかりにドヤ顔すると
「ミラが居なくなったらどうしようと私に泣きついて来たのは誰でしたっけ?」
ローガンがじろっとハーパーを見ると…
「あ、あれはもしだよもし!全然本気で思ってた訳じゃないよ…」
きまり悪そうにそっぽを向くと
「メイソンさんもハーパーも心配かけてごめんね、もう大丈夫。私はこのままの私でいいんだって教えてもらったから」
ミラが笑うと
「ふーん…ジョンもたまにはいい仕事するね」
ハーパーが面白くなさそうに頷く。
「まぁこれで独房に入った件は水に流してあげましょうかね」
ローガンが答えると
「そうだな」
メイソンも頷き返す。
変わらないみんなの態度にミラは胸のつかえが取れるのを感じる…下を向くとみんなに見えないようにそっと涙を拭った。
「では、ミラはジョンが戻ってくるまで私の部屋で止まりましょうね」
ローガンがおいでと手を差し出すと…
「ちょっと待って!ローガンは明日仕事だよね?僕は午後からだから僕が見るよ」
だからおいでとハーパーが手招きする。
「いや、まだ本調子ではない。しばらくはここに泊まらせるべきだ」
メイソンがミラを抱き上げようとすると
「もう大丈夫ですよねミラ」
ローガンさんが笑って私に確認する。
「うん、体は大丈夫だと思うよ」
「ほら、みなさい」
ローガンが勝ち誇った顔をする。
「なら俺が!」
「いや私が!」
「だから俺が!」
三人が譲らんと顔を見合わせ睨み合っていると…
「私…一人でも大丈夫だよ?ジョンさんの部屋で大人しく待ってられるよ」
「「「駄目です!(だ!)」」」
三人は絶対に譲らないとお互いを睨み合っていた。
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