第7話
学校からの帰り道、如月の言ったことを頭で考えていた。
私には分からなかった。そこまでして死にたい理由が。
「ねぇ、あん。杏はさ、死にたいって思うことある?」
あんは黙って私の顔を見た。
「、、、京香ちゃんはさ今でも死にたいって思ってるの?」
私はあんの質問にギョッとした。
わたしが死のうとしてたのを知る人なんていないと思っていた。
「どうして」
どうしてあんが知ってるの。声がでなかった。
「ごめんね、京香ちゃん。京香ちゃんが屋上にきて私と話した時に思ったの、この子はきっと死のうしてる。止めたいと思った。私のせいでこの子を死なせてはいけないと思った。だから、ストーカーしてたの。だから、見てたよ。誰かに泣きながら謝ってる京香ちゃんを。」
驚きを隠せなかった。
「、、、私あの時の記憶があんまりないの。ほんとに参っちゃってて、わたし、あやまってたんだ。」
「うん。あやまってた。」
言葉が見つからない。その代わり涙が止まらなくなっていた。
「京香ちゃんきっと知られたくない事だったのにごめんね。私のせいで自殺を考えてしまうぐらい追い込んでごめんね。今度はちゃんと私の言葉で止めたくて、」
私が泣いてるのはきっと自殺しようとした時とは違う。
「杏、あんのせいじゃないないよ、わたしが屋上であんなこと言ったのがわるかったんだね。謝らなきゃ行けないのは絶対に私の方だった。ごめん。」
謝ること後回しにしてた。脳天気なあんの事だからなんにも思ってないと思ってた。あんなことを言った私を杏のせいじゃないのに杏を責めた私の心配をしてくれた。
その事にただ嬉しかった。生きていいのだと言われた気がしてしまった。たぶん、今流してる涙は私が生きていいと言われた感動なのかとおもった。
「でも、杏。私、もうしのうしてないから。大丈夫だよ」
「よかったぁ。でも、なんであんな質問したの?」
如月と屋上で話したことを私の知り合いの話だということにしてはなした。
私は如月が死ぬなんて考えられなかったからそこまで深くは考えてなかったららすんなり話せた。
「止めたいなら、ちゃんと止めなきゃ後悔するよ。」
「うん、そうだね。」
とめよう。何がなんでも。
決心する勇気がでた。
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