呼んだ?(呼んでない)


 帝都に踏み込んだ時点でギドには念話を送る。


『そのまま進んでくだせえ。 機を見て合流します』


 と、言われた。 何かしてるんだろうか?



「ぐあっ…」


「が……くそ…」


 立ちはだかる帝国兵達を斬り捨てながら、帝都ロドニウスの中心にある皇帝の居る宮殿に向かって桜花と歩く。


 ちゃんと言ったぞ、「邪魔をするなら斬り捨てる」って。 ……桜花さんが。


『飛水断ち』を持った桜花は絶好調だった。

 進行方向にいる帝国兵だけでなく、弓や魔法で狙撃しようとする奴も全て歩みを止めず斬り伏せる。


 最初の方は俺達に向かってきていた帝国兵達も、見えない刃に斬りられる仲間を見て、何が起こってるのかわからないという顔で距離を一定に保っている。

 あと一応、俺の手に掴まれたままの帝国の王子と帝国勇者オルファンがいるしな。


 ……それでもちらほらと襲いかかってくる奴がいるってことは、やっぱりこの二人嫌われてるのかな…?


 帝国兵は進めば進むほど数だけ増えて、今や大通りを埋め尽くさん限りで暑苦しい。


 広域魔法で無力化しようかとも思ったけど、あちこちに一般人がいるな。

 野次馬ってのはどの世界にもいるんだな、もしかして根拠もなく『自分は安全』だとでも思っているのだろうか?。 ついこの間まで魔王軍との戦争中だったのに…。


「どうしたんだ?」


 帝国兵を斬りながら桜花が普通に話かけてくる。 一応敵地のど真ん中であるのだが、この温さだしな。


「いや、面倒だし広域魔法を使おうかと思ったんだが…な」


 建物の窓からこっちを見てた人間と目が合うと、慌てて窓を閉められる。


「……呑気なものだ。 いっそ範囲を広げて全員巻き込めばどうだ? スタンボルトぐらいなら、悪くても気を失う程度で済むのでは?」


「あー……それでも産まれたての赤子や妊婦がいたらどうなるか分からないからな」


「そうか…」


 面倒だがこのまま進むしかないか……



「止まりたまえ!」


 突然大きな声が聞こえたかと思うと、帝国兵の間を縫って冒険者風の男が飛び出してきた。


 金髪に泣き黒子、普通の冒険者にしてはやたら豪華な見た目の装備だな。


「何か用か?」


「決まっているだろう? この帝都の平和を脅かす悪党を僕のこの手で止めにきたのさ!」


 髪をキザったらしくかき上げながら男が答える。 ウザイ。


 そいつの後ろではいつの間にか現れた、同じく冒険者風の女達が黄色い悲鳴をあげている。


 止めろよ帝国兵……。


「僕の名前はアルケイン。 白き英雄アルケインとは僕のことさ! 君に一対一の決闘を申し込む…さあ、君も名を名乗りたまえ!」


「…悠人。 天川 悠人…いや、こっちだと悠人 天川か」


「ふん、見た目だけでなく名前まで……ハルト? ハルト アマカワ……ま、まさかお前みたいなのが勇者ハルト?!」


 お前みたいなのって……ウザイ上に失礼な奴だな。


 しかしそのやり取りで、周りにいた帝国兵達もザワつき始める。


「お、おい…あれが本物の勇者ならヤバいんじゃないか?」


「いや、勇者ハルトって勇者パーティの後ろに隠れてただけなんだろ?」


「でも魔王軍の幹部を一人で倒したって……」


「そもそも何でこんなことを…」


 俺が勇者パーティのお荷物って噂、誰が流してるんだろうか。


「……ふん、どうせハッタリだろう。 もしお前が本物なら『聖剣』が出せる筈だ…どうだ、出来ないだろう?」


 右手に掴んでた帝国勇者オルファンを地面に放ってから聖剣アカネを喚ぶ。


 黒い魔力の渦に帝国兵達は短い悲鳴をあげる。 冒険者風の男(名前忘れた)は目を見開いて冷や汗をかいている。


 そして俺の右手に聖剣が現れる。


 あと俺の肩の上にコンを抱いたアカネ。


(悠君呼んだ?)


 ……もしかして聖剣を喚ぶと、絶対一緒についてくるんだろうか…?



 ――――――――――


 更新止まってすいません…


 ずっとNTR小説読んで脳が破壊されてました。

 なんで幼馴染み彼女はすぐ寝取られてしまうん…?

 黒髪清楚とか……

 幼馴染みや義妹が聖女、剣聖(剣姫)、賢者になるだけでも数え役満。




































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