今日も平和だなぁ (フラグ成立)
大きいとは聞いてたけど本当にでかいな。
まだ少し距離はあるが、それでもエルドニア帝国の帝都ロドニウスはフィーリアの王都より遥かにでかく見える。
手に持った帝国の王子と
ま、普通に大騒ぎだろうな。
「悠人、正面から行くのか?」
桜花がこっちを見ながら問いかけてくる。
「ああ、元々大騒ぎにするつもりだしな」
メリド村であったことや、
そしてこれを教会とフィーリア国が各国に流す。
当然これから、俺達が帝都でやることも記録する。
地位も、
桜花の手には一振りの刀が握られている、レーネ達が持ってきたアガレスの国宝『飛水断ち』。 桜花にとっては共に魔王軍と戦った相棒である。
「桜花」
「ん、どうした?」
…んー、付き合わせて悪いな。 なんて言おうと思ったけど、何か怒られそうな気もするし止めておこう。
「行こう、背中は任せる」
「ああ、承知」
だから結局いつものやり取りをした。
――――――――――
(第三者視点)
帝都ロドニウスは外周を高い壁に囲まれた、
都市の正門には兵士の詰所があり、都市の出入りには門番によるチェックが行われる。
帝都ロドニウスは魔王軍との戦争中、最前線から遠く離れており、ただの一度も魔王軍に攻めこまれていない為例え兵士といえど、ろくに実戦を経験したことない者も多い。
兵士の数は多いがその質はお世話にも良いとは言えない。
門番達は形式だけのチェックを行い、中には通行人の女性に厭らしい目線を向けるものや、さっさと勤務時間終わってくれないかな…等と考える者もいた。
その日は天気もよく、いつものように適当なチェックを行いながら、仕事が終わったらさっさと飲みに行ったり娼館に行こうと考えていた門番達は異変を感じた。
門番は向こうの方が騒がしいな…と、思ったが同時に『どうせまた低レベルの魔獣でもでたんだろう』ぐらいに考えていた。
しかし向こうの方からゆっくり近づいてくる二人の……いや、四人の男女の姿をみて驚きが隠せなかった。 歩いてくる男の両手には見覚えのある……
「お…おいあれって」
「本物か? いやそんな訳…」
「いやでもあの顔…」
門番達は状況に頭がついていが、もしあれが本物ならさっさと動かなければ不味いと判断し武器を構えて悠人達を取り囲む。
それはハリエルやオルファンの為ではなく、モタモタして二人の身に何かあれば後で自分達が追及され、処刑されてしまうという恐怖感からである。 つまり完全に自分達の為。
「止まれ、何者か知らないがその方々が一体誰かわかっているのか?」
「この国の王子と勇者様だろう?」
何でもないように答える悠人に兵士達は動揺する。
「お前達正気か? こんなことをして……お前達だけじゃなくお前達の家族もただでは済まないぞ」
「そうか」
その返答を聞いた兵士はこう思った。
(コイツらイカレてるのか?)
先程から表情を全く変えずに淡々としてる男と、その男の後ろで一言も喋らず、静かに立っている変な剣をもっている女。
この二人が幾ら強かろうと、帝国を敵に回すなんて正気ではない。
帝国には一騎当千と謳われた将軍、若くして宮廷魔導士にまで登り詰めた天才に4万を越える兵士、そして帝都にはSランクの冒険者パーティも滞在している。
それらを全て敵に回すだなんで…
そう兵士が考えてたとき
「コイツ等のことで皇帝に話がある」
悠人がそう言って、手に掴んでた二人を持ち上げる。
「邪魔をするなら……」
それまで黙っていた桜花が口を開き刀に手をかける。
兵士達の視線が桜花に集中した瞬間、背後で大きな音が鳴り、兵士達は振り向いて驚愕する。 何故なら帝都ロドニウスの高く堅牢な筈の外壁には、10メートル程の大きな切り傷がついていたからだ。
これは魔王を倒した勇者からの、エルドニア帝国に対する正式な宣戦布告である。
――――――――――
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