死ねば許されるラインを飛び越える
※ちょっと胸糞悪い話です。
(???視点)
燃える
私達家族の家が燃える、沢山の家族との思い出がつまった小さいけど暖かい家が
隣の家も、友達の家も燃える
お父さんも、お母さんも、弟も…友達もそのお父さんとお母さんも村長さんも雑貨屋のお姉さんも叔父さんも叔母さんも従兄弟もその人達との思い出と一緒に全て燃えてしまった
折角勇者様が魔王を倒して、平和になったって皆喜んでいたのに、なんでこんなことになっちゃったんだろう…。
私が悪い子だから? 神様への毎日のお祈りをさぼっちゃったから? 弟が欲しがってたペンをあげなかったから? 友達が好きな男の子を私も好きになっちゃったから?
わからない
何でこの人達は笑っているの?
髪を引っ張って無理矢理立ち上がらされる。
『土産はコレでいいか』って何?
わからない
私はその人達に大きなテントの中につれていかれた、その中には私と同じぐらいの歳の女の子が三人いた。全員同じボロボロの布切れみたいなものを着ていて、皆足を鎖で繋がれていた。
私が泣いていると、その子達に話しかけられる。私達が連れてこられた理由は、目立つ格好の男の人の玩具にされる為…そんな下らないことの為に私達は全てを失ったんだ……。
夜になると一人づつベッドの上に連れていかれて………
何とか四人で励ましあってきたけど、皆もう限界だった……お父さんに会いたい…お母さんに会いたい…弟に会いたい…
ある時外の方で大きな音が響く、派手な格好の男が何かぶつぶつ言いながら、テントの隅で震えていた。
テントの中に黒い髪の綺麗な女の人が入って来た、女の人は私達を見ると近寄ってきて鎖を切ってくれた。そして私達を抱き締めて『助けるのが遅くなってごめん』と言って、隅で震えていた男へと歩いて行った、その時の女の人はまるで鬼のような表情をしていた…。
――――――――――
(悠人視点)
帝国勇者の髪を掴んで顔を持ち上げる、鼻血と涙を流し、開いた口からまた歯が一本落ちた。
このまま質問しようとすると、桜花が俺の名前を呼びながら近寄ってきた。
半裸でマッシュルームカットのモヤシみたいな男を引きずっている。
コイツも顔はボロボロで、全身痣だらけになっていた。それだけじゃない、下半身からかなり出血している……去勢されていた男は痛みのせいで言葉もでないのか、口から泡と呻き声をもらしていた。
桜花の表情から、かなり怒っていることが分かる。
「ソイツが帝国の王子か?」
「…ああ、本人はそう言っている」
地面に転がされている帝国王子を見ながら考える、何かあったのだろう、ここまで桜花が怒るとは……。
「コイツは何処に居たんだ?」
「一番大きいテントの中で震えていた…コイツの居たテントの中に、裸の少女達がいた……」
顔を伏せながら桜花はそう言った。
「悠人…コイツの体を治せないか? 私の使える魔法ではたいした怪我は治せないんだ…」
何故…と聞こうとしたが桜花の目を見て止めた、桜花が何がしたいのかわかってしまった。
「ああ……」
俺は使える魔法の中で、一番効果の大きい回復魔法を帝国王子にかけた。
体の傷が癒え、去勢された物も元に戻ると帝国王子が立ち上がり
「こんなことをしてタダで済むと思うな」とか、「父上に言ってフィーリア国に抗議する」とか…色々訳のわからないことを言ってる。
その瞬間桜花が剣を振るう、そしてまた帝国王子は去勢された……悲鳴をあげながら、のたうち回る帝国王子。
「悠人、もう一度頼む」
――――――――――
バレンタイン用のオマケ話を初めての予約投稿しました、深夜のテンションで書いた完全ギャグ回で酷い内容です、読む時は頭を空っぽにして下さい。
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