オマケ話 天川 悠人のバレンタイン 【地獄編】

バレンタイン用if 設定とか気にせず、頭を空っぽにして読んで下さい。

何も考えるんじゃない、何も感じるんじゃない


(第三者視点)


異世界グレセアを救った勇者、天川 悠人 の部屋には


悠人の幼馴染みで恋人、圧倒的勝ちヒロインにして、好感度メーターのぶっ壊れた幼馴染みイチャラブ過激派のハイライトの消えた超黒天使(悠人主観)茜。


悠人と共に、異世界グレセアを救ったもう一人の勇者にして、悠人の相棒で、変態揃いのヒロイン達における癒し担当の桜花。


色々あって仕方なく悠人達と敵対していたにも関わらず、一度助けられただけで堕ちた変態チョロインギャルの桃花(A)。


こういう話しに出てくる異世界のお姫様って、もうちょい出番があっても良くないですか? わたくしちゃんと3番目ですよね?…ね?ティセニエラ。


悠人の師匠にして勇者パーティの仲間、愛想は悪くて家事も一切出来ないメイドのコスプレをしたティセニエラの護衛のエルフレア。



以上の5名と部屋の主である悠人が雑談をしていた。

因みに悠人は適当に相づちを打ちながら、部屋の隅で体育座りをして、時が過ぎるのをじっと待っていた。相手が誰であれ、自分のプライベート空間に異性が沢山いるというのは落ち着かない。


ならばこの嵐を乗り切る術はただ一つしかない、それは…


(俺は貝になるんだ…)


なんでだ、他にもっとなかったのか天川 悠人。


そんな悠人を置いて、茜達の会話は自身の幼い頃の話題で盛り上がっていた。


「アタシは昔から手のかからない良い子だってパパとママに言われていたわ」


悠人に電流走る


桃花とーかめ余りにも自然に嘘を……っ!)


「あ…わ、私は父様や母様に我儘ばかりを言って困らせていた…恥ずかしい」


(いや…おうかはもっと我儘を言うべき)


わたくしも幼い頃から、フィーリアの王族として、恥じることのない振る舞いを心がけてきました」


「……ふっ…」


その言葉をエルフレアが鼻で笑ったのを見たが、悠人は見なかったことにした。


それよりさっきから、茜が一言も発さないのを悠人は不思議に思っていたが、茜の顔を見て後悔した。

茜は一見いつも通りの表情だっだが、その目にはいつもやらかす時の狂気の色が浮かんでいた。

逃げなければ…と、そう思ったが時すでに遅し、丁度茜が口を開く所だった。


「じゃあ確かめてみよ、ハル君ちょっと部屋から出てて?」


そう言って茜は例の薬を取り出し、悠人はその言葉に無言で従った……。




――――――――――


で……


「やー! こことーかのー!」


ぺちぺちぺちぺちぺち


現在、悠人の腕にへばりつき(落ちないように悠人が支えている)下に居るてぃーを頑張って手で威嚇しているとーか。


『アタシは昔から手のかからない良い子だってパパとママに言われていたわ…いたわ…いたわ(残響)』


手のかからない良い子とは一体…


「ずるい! ずるいずるいずるいーでーすー! わたくちもそこがいーですー!」


ぺちぺちぺちぺちぺち


悠人のシャツを片手で掴み、反対の手で、悠人にへばりついているとーかに威嚇をするてぃー


しかし二人共射程が足りてなくて、ひたすら悠人をぺちぺちしている。


わたくしも幼い頃から、フィーリアの王族として、恥じることのない振る舞いを心がけてきました』


一度言ってしまった言葉は取り消すことはできない、だからきっとこの行動はフィーリアの王族としては正しいのだ。 多分……。


ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち


悠人の表情は完全に虚無っている、そして悠人に肩車をされながら、その二人の行動を「ふえー…」と勝ちヒロインの貫禄で見下ろしている茜。


悠人の背中にくっつきたいのを、「はるとが たいへんだから…」と、ちゃんと座って我慢しているおうか。


『あ…わ、私は父様や母様に我儘ばかりを言って困らせていた…恥ずかしい』


とーかとてぃーはおうか を見習うべき。


悠人は屈んでおうか に「大丈夫だからおいで」と言うと、おうか は嬉しそうに悠人の背中にぴったりくっついた。


ぺちぺちぺちぺちぺち…ぺたぺたぺた


そして悠人が屈んでしまったことにより、とーか とてぃーの争いが白熱、二人して悠人の顔をぺちぺちし始めた。…が、二人は直ぐに悠人の顔をぺたぺたと触り始める。


そんな悠人達を眺めながら、える は悠人が楽しみにしていたハー◯ン◯ッツを「まあまあねー…もっとちょうだい?」…と勝手に食べていた。


結局悠人はその日、五人の面倒をみることに…。


バレンタインだから茜からチョコが貰えるんじゃないかと期待していた悠人は、逆に全員にオヤツのチョコを渡すことになった。


「はるちゃん ちょこちょうだいっ」


そう言って口を開ける茜に、小さく割った板チョコを食べさせる悠人。


「とーかもあーん」


「ずるいですっ わたくちもあーんっ」


「わ、わたしもいい? あーん…」


(餌をねだる雛鳥みたいだな…)


「はいはい」


「あ、わたしははー◯ん◯っつ のちょこみんとでいいわ……え、ないの?」


「はい…(溜め息)」




「それじゃあ はるちゃんも あーんしてっ」


そう言って板チョコを差し出してくる茜。


(あぁ…幸せだな…でも丸々一枚はちょっと厳しいかな…)


「はるとー…あーん」


茜の真似をしてとーか も食べさせようとしてくる。


(でも板チョコ丸々一枚な所まで真似しなくていい)


「わ、わたしのもたべて!」


(ありがとう…ありがとう おうか、凄く嬉しい…だから丸々一枚は止めて…)


「わたくしのもどーぞ!」


(うん、てぃーなら丸々一枚やると思ってた。)


「……のるしかないわ…このびっぐうぇーぶに!」


(のらなくて……いいです……)


板チョコ5枚を食べさせられた悠人はこう思った


(そうか…勇者を殺すには、剣や魔法よりチョコレートの方が効果的なんだ…)


意味不明である。




後日元に戻ったヒロイン達から普通にチョコを貰うことができた、普通って素晴らしい。失ったものも大きかったがまぁ、いいか…と悠人は思ったのだった。



―――――――――


勢いだけで書きました、反省はしています


デレデレの方に 天川 悠人のバレンタイン 【天国…編?】を投稿してます、そっちもどうぞ。


















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