お昼寝ハル君と合鍵を持った不審者 (茜視点)


(茜視点)


「お邪魔します、ハル君お昼作りに…あ…」


 今日は善二郎おじさんも、小百合おばさんもお出掛けしてて居ないから、ハル君のお昼ご飯を作りにきたんだけど…


 ハル君はリビングの絨毯の上で眠っていた、すぐ隣に昨日買ってたラノベ『マッピングしかできない無能と勇者パーティを追放されたので、故郷に帰って幼馴染みとダンジョン経営します。~俺を追放した勇者パーティがダンジョン内で遭難? よくあることです~』が、置いてあるから読んでるうちに眠くなっちゃったのかな?


 今度ハル君のお部屋で読んでみよっと。


 でも…


 こういう長いタイトルって、作者さんは一字一句ちゃんと言えるのかな…?


「ん…」


 ハル君が寝返りをうつ、その際にメガネがずれたので、外してラノベとメガネをテーブルの上に移動させる。


 ハル君の無防備で穏やかな寝顔……うへへ…可愛いなぁ


 ハル君の頬を指でプニプニする、柔らかでスベスベな感触はずっと触っていたくなるほどで…きっと桜花ちゃんや桃花ちゃんが羨ましがるだろうなぁ。


 あ、そうだ


 わたしはスマホをハル君に向けて、パシャリと撮る、角度を変えてもう一枚、さらに変えてもう一枚………


 結局20枚ほど撮ってハル君フォルダに移動、クラウドにもアップして後でパソコンにも取り込んで現像しとかないと…お昼寝ハル君はレア物なのでつい張り切ってしまった。


 うー…お昼を作らなきゃだけど今はこの場所から離れたくないなぁ


 最近は桜花ちゃんや桃花ちゃんと四人で居ることが増えて、こうして二人きりになることが少なくなった。

 皆でいるのはとても楽しいけど…やっぱりこうして二人きりの時間が一番好き。


「……あかねちゃ……」


 ほあっ?!


 胸がきゅぅーってなった!


「なーにはるちゃん」


 ハル君の頭を撫でながら答える。……膝枕したいなぁ、でも流石に起きちゃうかな?


「こん…ごはん…」


 コンちゃん…懐かしいな、小さい頃の夢を見てるのかな?

 そういえば、まだあのぬいぐるみって持ってるのかな…わたしが小さい時にハル君にプレゼントしたやつ、あの時のハル君はコンちゃんがいなくなってずっと悲しそうで…なんとかハル君に笑ってほしくてお母さんと買いに行ったんだ。


『おかあさん…はるちゃんよろこんでくれるかな…?』


『そうね、直ぐに喜んでくれるかは分からないけど…茜の気持ちはきっと悠人君に届くわ』


 で、結局プレゼントをあげるとハル君大泣きしちゃって…思わず抱き締めちゃったんだっけ…


 わたしも少し眠くなってきたな…少しだけ…いいよね?


 眠ってるハル君にくっついて目を瞑ると、ハル君の腕がわたしに触れる。静かで、あったかくて、ハル君の匂いがして……凄く良い夢がみれ…そ……う…





 ――――――――――

(茜の夢)


『これが……ハル君をはるちゃんにする薬…っ(ごくり)』


 しかも効果はおよそ24時間…たっぷりと、はるちゃんを楽しんだ後で、直ぐにハル君が楽しめるという…ハル君マニア垂涎の代物。


 早速楽しまないと!……あ、でもこういうのはちゃんと桜花ちゃんと桃花ちゃんとシェアしないと…












 なんて言うと思った?


 先ずはわたしが楽しんでからね。



 ――――――――――


(悠人視点)


 とても怖い夢を見た


 茜が…


 茜が……


 俺を押し倒して変な薬で子供にしようとする夢、しかも桜花や桃花もでてきて…まさかそんな…ね?


 ――――――――――


 そして結局お昼を作り損ねて二人して15時位に目が覚める流れ






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る