最近ツンツンしてた幼馴染み彼女に、別れを告げようとしたら異世界に召喚されました。 ~ 異世界救って帰ってきたから彼女を幸せにしようと思います。え?別れませんよ? ~
足を引っ張り合う人達(後半オルファン視点)
足を引っ張り合う人達(後半オルファン視点)
「先に剣を抜いたのはそちらだ、忘れたとは言わせんぞ」
桜花の言葉に苦い表情をみせる帝国勇者。
「本当に何があったんだ…?」
小さな声で桜花に質問する
「悠人は覚えていないのだろうが…」
桜花がため息をつきながら答える。
「コイツとは、砂漠の街に魔王軍が攻めてきた時の防衛戦で会っている」
「砂漠の街の防衛戦は覚えてるけど…あの時って」
「ああ、私達のパーティ、あの時街にいた高ランクの冒険者が数名、そして街の衛兵が街の外で魔王軍の迎撃にあたり、 低ランクの冒険者達と衛兵の一部が街に控えていた」
「何をさっきからコソコソ話しているのです、さっさと要件を言ってくれませんか? 我々も暇ではないのです」
オルファンは敵意すら感じる視線を向けてくる、帝国の人間ってこんな奴ばっかりなのか?
「ええ、すいません、悠人に貴殿のことを教えていたのです。 たとえば砂漠の街で勇者の肩書きを使い、歓待を受けたにも関わらず、いざ魔王軍が攻めてくると裏門から逃げよとし、それが叶わないとなると領主の館に引きこもる……挙げ句、迎撃に成功して街が勝利のムードに包まれるとまるで戦功者のような顔をして謝礼を要求する……いや、流石ですね…と」
屑じゃね?
それを聞いたオルファンは、顔を真っ赤にして言い訳を始める。
「あ…あれは! 貴方達が仕留めきれずに、街の中に侵入してきた魔物がいたら我々が片付けようと待機を…」
あー…思い出してきた。
「それで? 何故、待機場所が街の真ん中にある領主邸だったのですか? しかも貴方達にたかられて、困っていた街の人達に頼まれ話しをしに行った悠人に剣を…」
話しを聞いていた兵士達は動揺しているようだった、もしかして自分達が魔王軍を撃退したとか、周りに言ってたりして。
「…聞いてきた話しと違うな」
「勇者ハルトは街の中で震えていたとか言ってなかったか?」
ビンゴかよ…。
そして一つ分かったことがある、桜花は
本当はニル村とメリド村の件を証拠付きで問い詰めてから、向こうが先に手をだしてきたら殲滅するつもりだったんだけど。
今の
「……言いたいことはそれだけですか? ならばさっさとお帰りいただいても? 目障りなので。このことは後日、
あまりの怒りに、もう敵意も…殺意すら隠さなくなったな。
「いいや、抗議するのはこっちだ。お前達はフィーリア国の領土にある村に手をだした、これは立派な侵略行為だ。」
「村? 一体何のこ………おいお前達まさか?!」
「なら未だに帰ってこない奴等は……何故そのようなことを?」
「そ、それは……」
「答えろ!」
「ハ……ハリエル王子が、新しい玩具が欲しいから、調達してこいと…」
………玩具だと?
――――――――――――
(オルファン視点)
…なんという……なんという余計なことを!
せめて帝国内の街に着くまで我慢できなかったのですか、あの
折角ハルト達がココに来た理由が、例の取り引きの件についてではないことに、安心していたというのに……いえ、あの
もしこのまま大人しく投降したとしても、必ず事実確認や取り調べが行われる…そうなればあの取り引きのことだって…多分……いえ、きっとバレるに違いありません。
これで終わりですか…
終わり…終わり?
いいえあり得ません! 私が!
このオルファン・シュレーはこんな所で終わる訳にはいきません!
…コイツ等さえ居なくなれば…
「ガレオス達を呼んできなさい、戦闘準備をして今!すぐに!」
困惑する兵士を睨むと慌てて走ってゆく、後は…
「総員武器を構えなさい、この二人を生かして帰さないように」
「し…しかし相手は…」
「このままいけば、どちらにせよ我々は終わりです…その女勇者は無力化出来れば好きにしていいです、ただしちゃんと終わったら処分するように」
私の言葉にやる気を取り戻す兵士達、どいつもこいつも猿ばかりですか…
聖剣を抜いて構える
もう後には引けません、しかしこの戦力差、そして私には魔王軍との取り引きで得たアレもあります……やるしかない
――――――――――
オルファンの持つ聖剣はハルトの召喚する聖剣とは全くの別物です。名工の打った一振りではあってもただの剣
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