糖分補給用if 勇者とうんどうかい


糖分補給用のif話

小さくなった茜達が元に戻らなかったら…細かいツッコミは無しで…


――――――――――


「ん、こんな所だな」


俺は四人分のお弁当を作り終えて一息ついた。

卵焼き、唐揚げ、ミニハンバーグに少しだけ野菜にお握り。

料理はあまり得意じゃないが、茜達が喜んでくれるかもと思えば全然苦じゃない。


カレンダーを見ると明日の日付には可愛い字で『うんどうかい!』 と書かれている。


良い場所を取って三人をしっかり応援しないとな!



――――――――――


何とか良い場所を確保して茜達の出番を今か今かと待つ、周りの父兄も盛り上がっている。


グラウンドにいる茜と目が合うと、ニコニコしながら大きく手を振ってくれたので俺も振って答えた。


近くにおうかと とーかも居たが此方には気付かなかった、残念。


緊張してるであろうとーかに近寄っていく太ったガ……子供がいた。


ガ…子供はとーかにニヤニヤ笑いながら話しかけて、とーかは下を向いて泣きそうな顔になっていた。


………………………(ピキ)


と、そこにおうかがやってきて子供に(二人も子供だけど)説教をし始めた。


よし、良いぞ流石お姉ちゃん(設定)だ


ガ…子供はおうかに悪態をつきながら離れて行く。

おうかはとーかを元気付けていた、俺も…頭を撫でに行きたいです…



とーか大丈夫かな…リレーに出場するのをずっと不安がってたから、休みの日は近くの公園や学校のグラウンドで走る練習をしたんだけど…


――――――――――


俺が思っていたよりとーか の運動神経は悪かった、普通に何もない所で転ぶんだ…体力も…その……グラウンドだと半分も走らないうちに


「はるとー…とーかつかれたー…だっこー」


いやそれ意味ないだろ


ひょい


たったった


「わーっはるとはやーい!」


きゃーと喜ぶとーか とつい甘やかす俺、そして


「こらっ はると! とーかも!」


「はるちゃん! めっ!」


「「ごめんなさい…」」


茜達お姉ちゃんズに怒られて、居間で正座させられる俺と、俺の背中に隠れて顔だけだしているとーか。


ションボリ…





そんなこともあったけど、何とかグラウンドをゆっくりだが一周は走れるようになった。


初めてとーか が一人で走りきった時は四人で大喜びをした。


「やったな! すごいぞとーか!」


「やったね とーかちゃん がんばったね!」


「とーか がんばったー」


そう言って泥だらけで、にへらーと笑うとーか


「はるとー とーかすごい?」


「ああ、凄いぞ、頑張ったな」


「えへー…」


そう言って顔をすり付けてくるとーか。


あ、これ泥を拭いてるだけだな……




――――――――――



リレーが始まると とーかは緊張した顔で順番を待っていた。


茜、おうか、とーかの三人は同じチームでおうかの後にとーかの番だ、そして何人か挟んで茜が控えている。



順番がおうかに回ってくると、それまで後ろの方だったチームの順位は一位に躍り出る。


そしてとーかにバトンが渡る。


とーが走り始めるが、当然たかだか数日走っただけで足が早くなる訳ではない。目標は遅くても何とか走りきれるようにを目指した。


おうかが稼いだアドバンテージはあっという間に無くなり余裕の最下位へ、そして焦ったのか盛大に転ぶとーか。


静まり返るグラウンド


「ふ…うっ…ふえ……」


何とか立ち上がったけどその場で泣きそうになるとーか、俺は出来る限りの声でとーかの名前を呼ぶ


「とーかぁ! 大丈夫、後もう少しだ!」


続いて茜とおうかの声援が聞こえる


「がんばれ とーかー!」


「とーかちゃん がんばってー!」


「…うっ…すっ…」


ゴシゴシと涙を拭いて再び走り始めるとーか。


グラウンドのあちこちから とーかを応援する声も聞こえる。


結局半周以上遅れたが、何とかとーかは走りきった。 なんとか直ぐにでも抱き締めたいがまだ我慢だ。



リレーの結果は何とか全6チーム中3位だった、茜が大分巻き返したがまぁ…うん。


リレーが終わると とーかは皆に謝っていた、慰められていたがやはり落ち込んでいるようだ。


昼食の時間になりとぼとぼと歩いてくるとーか、茜とおうかの慰めも効果は薄い。


「……はると……ごめんなさい……」


「…何で謝るんだ?」


「たくさん…いっしょに れんしゅうしたのに……うっ…ひぐ…」


あー…そこを気にするか。


とーかを優しく抱き締める


「頑張ったなとーか…大丈夫、転んでも、立ち止まっても、泣いても…ちゃんと最後まで走りきったんだ…一緒に練習したお陰だな」


頭を撫でて囁くように。気にするな、なんて言っても意味はない、これはもう本人の心の問題だから。


茜とおうかも二人共静かにとーかが泣き止むのを待っている。



しばらくすると、とーかは俺からゆっくり離れた。 目は赤いけどなんとか笑ってみせる。


「はると…とーか おなかすいたー…」


「ああ、じゃあお弁当にしよう、三人共準備を手伝ってくれるか?」


俺の言葉に三人は元気に答えてくれた。



この子達も将来一人立ちする日がくるのだろうか? 想像するだけで寂しいな……その時は俺が泣くのかも知れないな




※そんな日はきません、将来も茜達はずっと悠人の傍を意地でも離れることはないのです…


――――――――――


とーかのターン!


次は茜のターン! デュエルスタ(ry







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