野盗滅ぶべし慈悲はない


 メリド村に着くと村の出入口にいた見張りが殺気を放って近寄ってきた。


「何だお前? タイミングがわるかっ…ぐぇ」


 時間が惜しい、問答をしてる場合じゃないので見張りの二人の首をへし折った、死ねればラッキーだと思ってくれ…生き残ってしまったら全員抵抗できなくして、残った村人達の怒りを受け止めてもらわないとな。


 村の中に入ると建物からは火が上がり逃げ惑う村人が目に入る。


 随分好き勝手にやってくれてるな…。


 女の村人に襲いかかってた野盗みたいな格好をした男の肩を叩く


「あ? 何だよこれは俺の……っひぎ?!」


 振り返った男の両目と男としての尊厳を潰す、悲鳴をあげながら男が倒れると異変に気付いた男の仲間が集まってくる。


「コイツ何しやがる!」


「 どっから入ってきた?! おい、見張りはどうしたんだ、何をしている?」


 集まってきた野盗のコスプレをした男達を無視して、襲われてた村人に声をかける。


「たてる?」


「あ……は、はい! あ、あの、貴方は…。」


 うん、所々服が破けているが間一髪間に合ったようだ、やはり間に合ってこそヒーローよ。


「オイお前! いい度胸だ、死にたいらしいな? 」


「少し黙れ。」


 ギャーギャーと喚く男の顎を砕いて他の野盗に投げる。


「チッ…ころ「黙れと言っている」」


 ショートソードで斬りかかってきた男の足を蹴って骨を折る、倒れたから踏みつけてあばら骨も何本か折っといた。


「何モンだコイツ…?!」


 警戒して距離をとる野盗達。


「……後方で待機してた連中と連絡がつかない、貴様一体何をした?」


 野盗のボスっぽい奴がこちらを睨みながら質問をしてくる。


「念話しようとしてた奴なら間違えて殺した、他の奴はまだ生きてる…と、思うぞ。」


 多分…。


 ギリっと歯を鳴らす野盗ボス。


「ふざけているのか? お前一人でどうこう出来る訳ないだろう。」


 あー…何か証拠をもってくればよかったかな。


 しかしコイツ等本当に野盗か?

 装備も微妙に綺麗だし、格好も服はボロを着てるがあまり汚れてないし。


「じゃあ今度は俺の質問に答えろ、お前達は本当に野盗なのか?」


「ふん…」


 答える気はないか……


「答えないなら別にいい、所で……腕と足、どちらからがいい?」




 ――――――――


(ティセニエラ視点)


「ティセ…いい加減に機嫌を直して下さい。」


「……何故ハルトを行かせたのです? こちらの世界の問題に……」


 ようやく茜や桜花との平穏な日々を取り戻すことができたというのに…。


「 ハルトを人間同士の戦争に巻き込むだなんて…。」


「……もし、あの報告が真実ならアイツにとっても無関係ではないでしょう。……本当に今回の被害がただの野盗ならどれだけよかったか。」


「エル、仮にも村が一つ無くなったのです…そのような言い方は慎みなさい。」


 ……あの報告が真実なら…ハルトはどうするのでしょうか…。



 ――――――――――


 らぶこめ…







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