大勝利への一歩(強制) (桃花視点・桜花視点)


(桃花視点)


 はる……天川のお家から逃げるように飛び出したアタシと桜花はお互い無言で歩いていた、目的地は特にないが、何となく家に帰る気も起きないし。


「…ねぇ、アンタ昨日のこと、どの程度覚えてる?」


「靄がかかってるような感じだが……断片的には……。」


「……そう。」


 桜花もか……あれ?


 アタシ何で人蔵のこと名前で呼んでるんだっけ? …天川のことも、『はると』って呼びそうになるし。


 帰り際に天川には優しく『桃花』って……呼ば…れるし。


『桜花、桃花、また遊びにこい。』


 ああああぁぁっ!


 なんかめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど?!



 でも、それ以上に昨日は何度も天川に抱き付いたり、撫でられたりしたような……しかも夜に天川とおふ……おふりょに…。


 はる…天川に髪を洗ってもらったり、はる…天川と湯船に浸かったり、はる…はるとに髪を優しく拭いてもらったり。


 しかも、朝起きるとアタシ…いえ、 裸ではるとに抱き付いて寝てたし……い、いい一体何があったのよ昨日のアタシー! 答えろー! うおー!?



 ―――――――――――



(桜花視点)



 わた……私は一体何てことおぉぉ?!


 よりにもよって! 茜の目の前で『悠人のお嫁さん』発言をっ!


 絶対にバレないようにしてたのに……\(^o^)/


 悠人のお嫁さんなんて……なんて……


(妄想中)


「お帰りなさい悠人、今日もお仕事お疲れ様だ」


「うん、ただいま」


「ご飯できてるぞ、それともお風呂にする?」


 仕事を終えて帰宅した愛しい悠人を玄関先で出迎える、上着を受け取りハンガーに掛けに行こうとすると悠人に後ろから優しく抱きしめられる。


 悠人は忘れものだと言い、ただいまのキスをする、私もおかえりのキスをする。


 朝起きた時におはようの、出掛ける時にいってきますと、いってらっしゃいの、帰ってきた時にお帰りなさいのと、ただいまの、そして寝る時にお休みなさいのキスを毎日する。


 愛しい悠人との至福の時間。


 結婚して◯◯年になるが1日も欠かさずしている。たまにそのまま止まらないことも…。


「悠人……そろそろ……その…」


 悠人が私を見つめる。


「子供が…欲し(強制終了)



「――……っ…!」


 なななな何を考えてるんだ私はっ?!


 こ…こんな妄想をしてしまうなんて……。


 昨日悠人とお風呂に入り、悠人の背中をぺたぺた触ったような……あれは現実だったのだろうか? それともやはり夢か? だったらもっと触っておけば……じゃなくて。


 しかし朝、は…裸で悠人に抱き付いて寝てたのは紛れもなく現実。


 どうしよう……こんなの悠人にも茜にも合わせる顔がない……。



「桜花…この後何か用事ってある?」


「いや、特には無いが。」


「そ、ならどこかでお茶でもしない? 色々と…その…話したいこともあるし。」


 ふむ……桃花から誘われるとは思わなかった。


「うん、そうだな、その誘い受けよう。」


 正直今帰っても、落ち着けそうにないしな。


「あら、受けてもらえるとは思わなかったわ。」


「断った方がよかったか?」


「いいえ? それじゃ行きましょうか、おすすめのカフェがあるの。」


「ああ、楽しみだ。」


 桃花とこうして話すのも悪くないな。 しかし…


「所で。」


「うん、何だ?」


「アタシ達って……いつの間に名前で呼びあうようになったのかしら?」


「さあ…?」


 考えようとすると、昨日の…悠人とのことを色々思い出してしまうし。


 思い出し………ぅぅぅ…。


 横を見ると桃花も思い出していたのか、顔を真っ赤にして髪を指でくるくるしていた。



 ――――――――――


 茜

 B→C


 桜花

 C→D


 桃花

 A→A 本人はBだと主張


 ティセニエラ

 A→B


 エルフレア

 D→D


 何の話しかはご想像にお任せします。











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