甘くなり続ける元勇者
ぜんかいまでのあらすじ
三人共っょぃ
俺は今、勇者として一つの境地に至る。
つまり勇者とは
子供達に美味しいご飯を作る為に存在するのだ…
身体強化をすれば、早く料理ができるのではないか?
オムライスを…ハンバーグを…焼き魚を…この子達の為に! 夜はカレーで良いよね?
幸い材料は、昨日茜が色々準備してくれてたから何とかなる。
始めよう、我が
駄目でした。
身体強化を使うと微妙な力加減ができなくなる…新たなる発見だな、二度とやらない。
何とかオムライス(小)にミニハンバーグ(デミグラス)に焼き魚(三分の一)を完成させた。…見た目はあんまり良くないけど、味は普通だし…喜んでくれるかな。
おうか と とーか が料理を並べるのを手伝ってくれて、茜がお茶の準備をしてくれた。
「三人共、手伝ってくれてありがとうな。」
お礼に三人の頭を撫でる、 茜が「えへー」と笑い、おうか がドヤ顔で「とうぜん!」と言い、とーか は俺の手に頭をぐりぐり押し付けてきた。
四人で席に着き手を合わせる。
「「「「いただきます」」」」
三人共 俺の作った料理を、美味しいと言ってくれた、普通に嬉しい。茜に料理を習っといて良かった…。
ちゃんと「ごちそうさま」もして、片付けも手伝ってくれる茜達。天使はここに居たんだ…。
そういえば
片付けも終わり居間に戻ると茜が足に抱きついてくる。
「どうしたの?」
「うー……。」
屈み込んで茜と話してると、おうかと とーかが左右から引っ付いてきた。
「はるとー…。」
三人の顔を見て気づいた。
「…眠い?」
「うん…。」
「うー……。」
「……すー…」
なるほど、お昼寝か…茜とおうか は目をこすって、必死に寝まいとしている。とーか は既に俺に寄りかかって寝てるけど。
居間に敷布団とタオルケットを準備して、三人を川の字に寝かせる。タオルケットをかけて、立ち上がろうとすると茜に袖を掴まれる。
「はるちゃんも…おひるねし…よ…」
茜はそう言い終わる前に、寝息をたて始めた。三人の寝顔を見ながら、この状態っていつまで続くんだろうか…なんて考えていた。
……何か眠くなってきたな。俺も少し寝よう…―――
小さな子供達に囲まれる夢を見た、なんか茜や桜花や更科の面影のある子供達もいたな。 ……ただの夢だよな?な?
寝起きで少し頭がボーっとする、時計を確認すると一時間程寝ていたみたいだ。
茜とおうか はまだ寝てる…あれ、とーかは何処に…?
「…っ! とーか?!」
まさか一人で外へ…? もし誘拐なんてされてたら…嫌な考えが浮かぶ、もしそんなことになったら犯人には地獄を見た上で死んでもらう。
…なんて考えていた時期が俺にもありました。
探し始めて直ぐに、俺の部屋で俺の上着に埋もれて、幸せそうな顔で眠るとーかを発見した。 タンスやクローゼットが開いていた、しかも何故か上着が入ってた場所だけピンポイントで。
エスパーかよ…。
取り敢えずとーか を居間に運ぼう。 …子供のイタズラは、ちゃんと叱らないと駄目だよな。いや、考えてみたら今の状態で躾って
いるか?
とーかをお姫様抱っこで居間へ…連れて行こうとしたら、掴んでる上着を手離さない。
全力で抵抗をみせるとーか。
甘いぞとーか、勇者とは蟻の反逆も許さん。
軽く俺の上着を取り返す、それじゃ戻…
「ふ…ふぇ…ふえー……」
ぐっ…ぬ…!
上着を取り上げた瞬間泣きそうになるとーか、俺は上着二着を犠牲に、幸せそうな寝顔を取り戻した。っょぃ。
俺はもう一着上着を持って居間に降りた。とーかに上着を持たせたままなので、まだ寝ている茜に
「…んへへへ」
寝ながらも緩みきった笑顔になる茜、これでよし……こうしてると おうか は、手がかからなくて良い子だなぁて思う。
――――――――――
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