元勇者パパになる(ならない)
ぜんかいまでのあらすじ。
どうしてこうなった?
キッチンで麦茶を人数分用意してると、何か居間の方が騒がしい…どうしたんだろう?
気になったので見に行くことにした。
「どうかし………てる…。」
そこで俺が目にしたのは、こちらをポカンとした顔で見つめる三人の幼女と、床に転がった蓋の開いた例の自己責任薬。
っあぁーーー?! しまったぁ?!
天川 悠人 一生の不覚(??回目)!
っていうか記憶の薬なんじゃないのか? なんだこの展開、 若返りの薬とかだったのか? 超技術だなストラバウム、後でクレームいれるわ。
いや駄目か自己責任だし…。
「はるちゃん どうしたの?」
そうこうしてると茶髪の幼女がこっちに寄ってきて袖を引っ張る、この娘…小さい頃の茜…かわいい(かわいい)…って違うそうじゃない。
「えと…茜?」
「うん! あかねだよー!」
じゃあ残りの二人は…
「桜花と更科…?」
「うん!おうか だ!」
「………。」
元気に答える桜花とだんまりの更科。心なしか泣きそうな更科…何で…?
「ど、どうしたんた?」
「…とーか。」
「え?」
「とーか…。」
ぐす…と鼻をすすりながら涙目になるさらし…とーか。
「ああ、うん…悪かった、とーか」
「はい!」
俺がそう呼ぶと ぱぁ と明るい顔になる。
「よかったな とーか!」
桜花(小)がさらし…とーかの頭を撫でながら言う。なんか仲よさそうだな…。
「はるちゃん ふくぶかぶか…。」
あー…
茜達は多分、例の薬のせいで縮んでいるが、当然服のサイズは元のままな為ぶかぶかだ。
「茜、茜のお家に服を取りに行こう。 二人にも茜の服を貸してくれる?」
「いーよー。」
笑いながら両手を上げる茜…頭を撫でて、じゃあ行こうか と、立ち上がると茜が上げた両手をこっちに向けて
「だっこ!」
と 言ってきた。 はいよろこんでー。
茜を抱き上げて移動しようとすると両足に二人がへばりついてきた。
「とーか もだっこー」
おお…?
「ずるい ならわたしもだ!」
Oh…
三人を同時に抱き抱えるのは流石に面積的に厳しい、しかし誰かを一人下ろすのも……あ、コラ 三人共 頭を擦り付けるのは止めなさい。
その後、何とかご近所さんに見つかることなく茜の家へ着いた。 家が隣じゃなかったら、諦めて三人分の服を買いに出掛けるところだった。
……見た目16歳ぐらいの男子高校生がし○むら で女の子用の服と下着(三人分)を買いに行く……これは明日のニュースにでるな。
お巡りさん誤解です。誤解なんです…。
――――――――
(???視点)
「呆気ないものだったな…。」
もう少しでこの拠点も落ちる。
魔王軍の前線基地として、戦いを支え続けてきたがそれもこれまで。
一年前は儂達の勝利を疑いもしなかったが…。 あの忌々しき勇者ハルトが此方の拠点を幾つも落として、今では戦況は五分と五分まで戻された。
人間共は儂等を『化け物』だの『悪魔』だのと言う。ではお前達の担ぎ上げた ”それ” は一体何なのだ?!
あれこそ『化け物』ではないか?!
しかし…アレを制御できる者がいなければ人間共にとっても脅威であるはずだ、あんなのを押さえつけれる奴なんぞ存在しないであろう。
もうすぐ儂もアレに殺されることだろう。
だが、せめて一矢報いてみせ……
扉の向こうに気配を感じた。
ここを守る強固な扉ごと儂は……―――
――――――――
「茜、玩具は後にして先に服のある場所に案内して…。 えー、じゃありません。ほら、良い子だから。ね?」
服のことをすっかり忘れて、押し入れに残ってた小さい頃の玩具箱を、引っ張り出そうとした茜を頭を撫でながら何とか説得する。
茜の小さい頃の服を三人に着てもらい、玩具箱と一緒になんとか帰宅。
なんか疲れた…。 我が家の居間に戻ってくるとソファに とーか と おうか が座って二人で絵本を読みはじめた。
俺は床に座り胡座をかくと、すかさず茜がその上に座る。
………―――
こうなった経緯を思い出しても…
どうしてこうなったかは分からなかった…
いつの間にか俺の膝の間には茜だけでなく、おうかと、とーかも一緒に座って、俺の朗読する絵本に夢中になっていた。…狭くないか?
あ、そういえばお昼どうしようか。
「茜、おうか、とーか。 お昼何がいい?」
茜「はるちゃんの おむらいす!」
とーか「とーか はんばーぐ がいい!」
おうか「おさかな!」
…………………どうすれば?
――――――――
書いてて楽しいからもう少し続けます。
続けます。
どんどん父性に目覚めつつある悠人、三人の我が儘を叶えるべく悠人のとった行動とは?
次回……
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