実は彼の方が主人公なんじゃないかと思ったりする


「いいはへんにあがっ?!ひほー!」


 完全にキレてる『そーちゃん』に殴られ続けてる相良糞野郎は、もう殆ど歯が残ってないのか真面に喋れていない。


 座間ぁとチンピラ共が気を失って動かなくなったので、相良糞野郎VS『そーちゃん』を眺めていたがこのままでは死んでしまうな…。


 このままでは相良糞野郎の為に《そーちゃん』が人殺しになってしまう、そんなことになったら三川さんも悲しむだろう、だから俺は『そーちゃん』を止め…たりせずに相良糞野郎と『そーちゃん』に治癒魔法を掛けて気が済むまでやらせることにした。


 15分程のわからせタイムが終わり、我に帰った『そーちゃん』が呆然と変形した相良糞野郎を見つめていた。


「落ち着きましたか?」


「え、あ…貴方は?」


 あ、やべ…何て答えようか?


「…ちょっとそこで寝てる相良糞野郎に恨みがある者です、スマホでココの住所を教えてくれたのは貴方ですか?」


 何だよ恨みがある者って…。


「はい…あ、でもあの時は何でもいいからコイツに嫌がらせがしたくて…。」


「そうですか、助かりました。」


「い…いえ…あの、おれの傷は…?」


「傷?何のことですか?…あ、そういえば外に女の人がいて、『そーちゃん』って人を探してたみたいなんですが、もしかしてお知り合いですか?」


 わざとらしい話題そらしだがしょうがない、俺には会話スキルなんて無いのだし。


「…っ!加奈!」


 そう言って『そーちゃん』は俺に向かって頭を下げてから、倉庫の外へ走って行った。


 この後あの二人がどんな選択をするのかはわからない。あんまり興味ないし、でも…二人が後悔の無い選択ができれば良いな…と、思う。



 さて、後はコイツ等を向こうのビルの奴等と一ヶ所に纏めるか。


 倉庫に居る七人をそこら辺にあったワイヤーで縛って、二回に分けて廃ビルへ運んだ。途中で更科に見つかり、家へ送れと言われた…一人で帰れよ…。


 結局更科を家まで送り、上着を返してくれと伝えると「あ、洗って返すから。」と言われ返してもらえなかった。まさかまた匂いを…?いや、考えすぎだな!…考えすぎなんだよな?!





 しかしこの人数を異世界グレセアへ送っても大丈夫なんだろうか?前回のこともあるしな…なんて考えてると茜から着信が。


『もしもしハル君、今大丈夫?』


『全然何時でも大丈夫だ。』


『うん…ね、ハル君って今何処にいるの?』


『え…?』


『部屋の電気がついてなかったから…。』


 しまったぁー?! 部屋の電気のことを完全に失念していた…ど、どうすれば…。


『もしかして何か危ないことしようとしてるの?』


『大丈夫だよ、茜が心配するようなことはしないから。』


 危ないのは俺じゃないから…なんて言い訳ではあるけど。


『……わかった、なるべく早く帰ってきてね。』


『ああ、明日の朝御飯も楽しみにしてる。』


『うん…えへへ、腕に縒りを掛けるね。……おやすみハル君。』


『おやすみ…茜。』


 ……まだ話してはくれないか。


 しょうがない、切り替えていこう…取り敢えずコイツ等を異世界グレセアへ送って…何させようか、また兵士か炭鉱夫か…相良は変態貴族に寄付かな? ま、ティセニエラに相談しよう。





「エル、明日の朝迄に処刑の準備を。 そうですね…断頭台ギロチンでは生ぬるいので火炙りが良いでしょう。」


「御意に。」


 ティセニエラに今回連れてきた連中を即処刑しようとした。

 最初こそ何時ものようにニコニコしてたが、コイツ等の扱いを相談すると『罪の重さで決めましょう』と言うので、あったことをそのまま伝えるとこうなった。


 兵士達に槍を突きつけられた獅童、相良、座間とチンピラ達は顔を青くして何か言い訳をしている。立って歩けるよう手足は治癒しておいたが全く意味無かったな。


「…出来れば生きて苦しみながら罪を償わせたいんだが。」


 今もコイツ等の被害者達は生きて苦しんでいるのだ、死んで終わり…なんて許せはしないだろう。


「そうですね…ハルトがそういうのなら。」


「きっちり罰は与えなさいよ。」


 さて…。



――――――


はやくらぶこめにもどりたいです






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る