異世界なんだから姫も髭もメイドも居る
不良達を痛めつけながら聞いた話しでは今回、アイツ等に俺を襲うよう指示したのは二年の 相良 斗真 らしい。
他にも、報酬として金と更科を貰う予定だったこと、報酬は獅童から受け取るように言われてたこと、俺をボコってそれを録画し茜を脅すつもりだったことを聞いた。
コイツ等は知らないそうだが、この感じだと茜達の方にも何か仕掛けてるんだろうな…桜花がついてくれてるから大丈夫だろうが、帰ったら茜達へ連絡してみよう。
うん、
茜に手をだそうとしたことを一生後悔させてやる。
俺は現在、豪華な馬車に揺られながらフィーリア城に連行されてる最中だった。向かいの席にはニコニコ顔のティセニエラ姫とメイドのエルフレアが無表情で座っている。
不良達を
あとは気になることもある、
色々知ることができれば茜の記憶も戻るかもしれない。
俺はアイツ等をフィーリア王国に預けて兵士として、働かせるつもりだ。
少しでも反抗したら徹底的に罰を与えるよう、死んでしまっても構わないから兎に角厳しくするようには言っておいた。
元々は事情を説明して、アイツ等を頼んだら速攻で帰るつもりだったんだが…。
「と、いう訳でアイツ等を頼みたい。」
「よくわかりませんが、わかりました!」
そっかぁ
「そんなことよりですね!」
そんなこと……。
「ハルトはどれくらい此方に滞在するんですか? 1年ですか?5年ですか?…はっ?!まさか永住してくれるんですか?!」
「いや、もう帰るよ。」
「そん…な…。」
俺がそう告げるとティセニエラは絶望した表情になり、その場に屈み込んで無言で草を毟り始めた。
「えーと……。」
周りの騎士達も困ったような顔をしている、どうしたものかと悩んでいると。
「ハルト殿…大変申し訳ないのですが2、3日だけでも滞在してはいただけませんか?」
先程馬から降りてた髭騎士のダグラスが話しかけてきた。
「近衛騎士とその隊長をわざわざ正装させてまで、連れてくるとは思わなかったよ…。」
「我々もハルト殿に会いたかったのですよ、ハルト殿とオウカ殿が魔王を倒して戻ってきたと思ったらすぐそのまま帰ってしまわれましたからな…。」
それに…と付け加え。
「今頃王城は大騒ぎでしょうし。」
「え?なんでだ?」
「ハルト殿が戻ってきたと姫様が城中に言って回ってましたからな…今は歓待の準備中かと。」
なん…だと…
「もう諦めろハルト、姫様がこうなっては我々も帰れないだろう。」
メイド のエルフレアもそう言うと俺の肩をつかんで馬車に押し込める。
ティセニエラが立ち上がり
「それで……がまんします…。」
と、言っていた。
俺の意見…。
そして今、城へ向かう馬車の中で何とかして逃げれないだろうか…なんて考えてると、エルフレアにめちゃくちゃ睨まれた…。
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