建国完了
「おい、セバスチャンお前宰相してた事、伝えてないのか?じゃあどうして追放されたのかも伝えてないのか?」
カルロはセバスチャンに問いかけている。
「ああ、伝えていない。」
『ははーそれはいい!おい、あんたこいつは公共の場でSMプレイをやって宰相を罷免されて閣僚から追放されたんだぞ!』
カルロは嬉々として俺に報告してきた。
『うん、それで?』
俺は鼻をほじりながら応えた。
『んな!?公共の場でSMプレイだぞ?どんでもない恥じゃないか!?』
『うーん、まあ人それぞれじゃねえ。それにセバスチャンが変態だというのは俺たちはみんな把握している。』
ぽっとセバスチャンは頬を赤らめる。
いや、そこは照れる所でもないからな。
『ケイン帝国の宰相はセバスチャンだな。でもまあよかったじゃんセバスチャン宰相に戻れて。』
『いえ、実は宰相はどうでもいいのです。前も実務能力に優れていたという理由ぐらいで後は成り行きでなったようなものですし…。』
『じゃあ別にこのカルロだったか、に恨みつらみはないのか?』
『いえ……どうしても許せない事が一つあります…』
そういうとセバスチャンは俯いた。
宰相を恥で罷免される以上の事。
一体なんなのだろう?
『あの件によって私は王都のSMクラブを出禁になったのです!私の人生の楽しみが!彩りが!生きる理由が!奪われたのです!!』
『……………』
ヒューーーと隙間風が吹いている。
『じゃあ私が踏んで差し上げましょ…』
『あっいえ、それは死んでしまうのでいいです。』
今やテンプレとなったラミアとセバスチャンのやりとりがされた所で…
『じゃあ最後の仕上げ、必殺技を繰り出しに行こうか!』
ばち――――――――ん!
「いた――――――!!!」
クスクス クスクス
必殺技 市中お馬さんの刑
ヴェラクルス4世に発動。
<貴族至上主義撤廃>
というのぼりを両サイドの本物の馬に乗ったラミアとグラードが掲げている。
市民達の反応は思いの他いい。
貴族至上主義でよっぽどフラストレーションが溜まっていたのだろう。
一国の国王であったにも関わらず、前ヴェラクルス王に同情的な姿勢を見せるものは皆無であった。
「何が貴族至上主義だー。」
「無能のクズ連中じゃないかー。」
市民達は溜まった鬱憤を吐き出していた。
「ぐぬぬぬ、黙れ下等な平民どもが!同じ空気を吸うの……」
「あうあうあー!(黙れ!じゃあ空気吸わないよう息止めとけやー!)
ばち――――――――ん!
「はひぃ――――――ん!!!」
クスクス クスクス
「かんぱーい!」
「おめでとーー!!」
圧政からの解放を祝う市民が途中から出だした。
そしてその行進は街全体を巻き込んだ宴と化していった。
ヒューーーバン!ヒューーーバン!
いつの間に用意したのか祝福の花火なども上がっている。
「ばぶー!あうあうあーーー!(ばぶー!我は赤ちゃん皇帝なり!)」
俺は勝利の雄叫びを叫ぶ。
こうしてヴェラクルス国との戦いは幕を降ろし、ケイン帝国の開国は問題なく終わった。
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