執事に同士を採用決定!

「ばぶーあうあーばぶー。」

『そうだ。お前たちの目に写っている赤ちゃんの俺がこの邸宅の当主だ。』


 ……………

 フリーズしてしまった。もう一人の応募者も同じようだ。


『なぜ赤ちゃんなのに念話を……というかなぜしゃべられる?これは何かのマジックか何かで?』

『もっともな疑問だがこの後の面接に通過したらそれは答える。』

 なるほど何か秘密があるのか?……まあいいだろう。


『それぞれ名前は?』

『セバスチャンです。』

『アメイロです。』


『今まで執事の経験は?』


 アメイロ:

『10年ほどとある貴族の先で執事として勤務していました。』


 セバスチャン:

『執事の経験はありません。が官僚として多くの部下を持っていた経験はあります。』


『なるほど、それではなぜ当家の執事をやろうと?』


アメイロ:

『前にお世話になった所が代替わりに伴い側近の入れ替えが発生しました。それに伴い職を失っていた所、求人を見つけたので参りました。』


セバスチャン:

『おそらく執事という業務は今まで自分が経験した業務と親和性があり、こなせる自信があったのと報酬が良かったからです。』


『そうか……それぞれ今までの回答は悪くない。がっ次の質問が重要だ!心して答えるように!」

 なんだ!?と少し身構える。


『大きいのと小さいのどっちが好きだ?あっ質問は受け付けんぞ!』

 大きいのと小さいの?一体どういう事だ?


「ご主人様その質問はなんですか?」

 メイドの後ろから ゴゴゴゴ と効果音が聞こえてくるかのようだった。


「し、質問は受け付けんといっ言っただろう(汗)」

 赤ん坊は明らかにメイドに対して動揺している。もしやこれは……


 セバスチャン:

『小さい方が好みでございます。』


『その理由は?』

 

 セバスチャン:

『小さい方が感度がよく、大きい方は私の手に負えないからでございます。』


『おお!なるほど!!』

 キラン!と赤ん坊の目が光った気がした。


 メイドからの冷たい視線が赤ん坊だけでなく自分にも突き刺さるようになってきた。


 アメイロ:

『私は大きい方が好きですね。というか大きいは正義です!』


『うん、そういう意見もあるな!』


 メイドはゴミを見るような目で我々を見ている。


『よし!アメイロ、君は残念ながら不合格だ。趣味趣向が合うというのは大事なのでな。」

 アメイロは肩を落として帰って行った。


『ではセバスチャンだったかな。こんな赤ん坊の私がこのように話しているのは違和感しかないだろう。実は私は転生者だ。前世は魔術王とまで言われた魔術師で生い先短くなった時に自身に転生魔法をかけて今世にやってきている。』

『おおーなるほど!転生者でいらしたんですね。転生者など伝説上の存在かと思っておりましたが実際に赤ん坊が話している様を確認すると納得です。』


 ゴホンと咳払いをし、抱き抱えられていた赤ん坊降ろされは地面に立った。

 そして天高く指差し宣言する。


「あうあうあうあーーー(俺は皇帝になる)!!!」



『こ…こうてい?……皇帝と今、仰られましたか?』

『そうだ皇帝だ!今はこんななりだが俺一人で一国と渡り合う戦力がある。それに今ここにいるメイド姿のラミアも実は暗黒竜だ。』

 暗黒竜!?世界3大災厄の一つではないか。それに一国と渡り合う戦力とは…


『後もう一つ重要なことを言う。俺は皇帝になったらハーレムを作るつもりだ。そしてその時には側近のお前は……言わなくても分かるな。』

『地の果てまでついていきます!どうか私を執事への採用よろしくお願いいたします!!』

『よし!それでは採用だ!頼むぞ同士よ!!』


 こうしてまた一人の仲間が加わった。

 ケインとセバスチャンが手を取り合っているその様をラミアは汚いものを見るかのうような視線を向けていた。

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