第2話

 Date:1989年12月17日 Place:エチオピア沖紅海 Weather:雨 Time:PM08:00

 赤道付近ではあるため12月といえど15℃を下回ることはない。しかしこんな時に限って雨と言うのは運のないことだろう。

 雨は打ちつける紅海は波紋する人は戦い天は曇る。

 12月10日遂に反乱軍は遂にエチオピア北部に位置する大都市ゴンダールを陥落させた。そこから前線は停滞し西はゴンダール、東はダキナル砂漠まで戦線は東西に伸びている。

 そこで我々は敵後方に上陸し敵前線部隊を包囲することである。敵は海軍を持っておらず上陸の際には妨害を受けることはないと予想される。それにまだスエズはとうれないとして西インド洋も日本が制海権を握っている。アメリカはアフリカを横断しての物資支援が考えられるが直接介入はしない方針のようである。反乱軍は共産寄りであるからなのだろう。


 我々は今隊主力の別働隊としてエチオピア領マッサワへと向かっていた同行するのは日本でも屈指の特殊部隊海軍陸戦隊、我々は日本軍屈指の精鋭部隊第一山岳戦隊。潜水艦を使った潜入作戦通称アサリ作戦を実行に移していた。

 当初陸戦隊が扇動し岸まで泳ぎそこからは、駐屯している敵部隊を殲滅したのち占拠し後続の部隊を待つことになる。

「ボーラシャカそろそろ、作戦開始地点だ。酸素マスクを取りつけな」

「………」

「素人のくせに」

ボソリと陸戦隊の隊員の一人は言った。


作戦開始時刻が近づき、水圧調整室に海水が入れられる。海水が満杯になると徐々に水圧を上げていき体に慣れさせる。作戦開始時刻ハッチが開きとうとう作戦を開始する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

兵士は自由の夢を見るか? 椅子翁 孔仔 @isunoou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ