第2話 発見

「はあ、はあ」


俺達は息を切らしながら道を駆け抜けていた。


「脱出したの見つかってないかな」


「見越してると思うぞ」


俺のただの独り言に、ケルトは素早く答えた。

俺はビクッとして、振り返りケルトを見る。


「探りを入れたのも知ってたと思う」


「どうゆうことですか?」


牢屋で出会ったばかりの少女、リルが問いかける。


「よく考えてみろ。そこらに罠があるだろ。それの成分をこっそり調べたんだけど、1週間前に発見された高性能の鉄を使っていることが分かった」


ケトルは上を見上げながら言った。

確かに天井には今いる位置だけだが、鉄で出来たトゲが何本もある。


「俺らが調べだしたのは5日前。つまり…」


「なんですか?」


「いや、言えよ。そこぐらい」


俺の問いかけにズバッとツッコミをするケトルは、牢屋の時よりは緊張していないらしい。


「そうか!ここに来ることを見越していた!」


リルは手を叩き、閃いた様に言う。


「…」


しかし、俺は何か気に食わないことがあり、黙ったまま考え込んでいた。


「?なんですか」


リルが真横に来て、俺の顔をのぞいた。

俺はドキッとして、顔を真っ赤にした。


「いや…声でかいなって…」


俺は顔を真っ赤にしたまま、笑って誤魔化した。

すると。


「発見!発見!」


「うわーーーーー!!!!!!!」


目の前にいきなりゾンビが現れて、俺は驚いた声を出した。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

脱出物語 月影 @ayagoma

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ