百日紅

 昨日の夜夢を見た。私はどこかに立っている。大学の構内だろうか。私はじっと斜め上を見上げていた。視線の先には百日紅の花。その紅花は木の至る所に燃えるように咲いていて、まさに満開という体である。九月も終わりだというのに変だな、とふと思う。途端に何だか肌寒いような気がしてきた。秋風に百日紅が揺れている。そんな光景に酷く違和感を覚えながら、私は目を逸らさずに花々を見つめ続けている。それだけのつまらない夢だった。

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