第10話 「チェーン王国」消滅

魔女オズ・ディスの壁画は

まるで生きているかのように

鮮やかな血色があり


王座の高き所の要所は

人が存在しているかのような

息遣いが伝わってくるような 臨在感が漂っていた


「ねぇ!ラック

この肖像画の絵の人物は

どういった人なのかしら?」


「王の玉座の高き所に 

祀り上げられているという事は

時の最高権力者であった事は

間違いなさそうだね・・・」


「ああ・・・

しかしきっと善人ではないよ!

邪悪な存在であったような気がするよ・・」


「そうね・・・

サイカ叔父と同じ匂いがする

この赤い指輪が 何故か?

反応しているように感じるのは

私だけかしら?」


「君も 感じるかい?」


「ええ・・・」


「早く この場所を

去った方がよさそうだ・・」


「そうね・・・

しかし何故 彷徨いの地から

この世の終わりの世界に

導かれたのだろう・・」


「強き意思が

この世界を見せたかった訳は何だろう?」


「それは・・・何となくだけど

私たち人間に 同じ過ちを

繰り返させないために

時代の最期を あえて見せたかったのでは?」


「うん・・・・・

そうだね・・間違いないよ・・」


ラックとアオイは

終わりの世界の地を 

早急に立ち去るべき危険を感じていた

まさに!数分後、この世界は崩壊するのだから・・


「さぁ!

私たちの世界に

戻りましょう!!」


ラックとアオイは

青い指輪を 嵌めようとした瞬間

壁画の女性の魔力が高まり 手を差し伸ばされ

アオイは、肩に一瞬触れた事に 

気付く事はできなかった


青い指輪の魔力が発動し

世の終わりの世界を後にした 


そしてまさに2分後 

太陽は完全に枯れ果て 力を失った 

世の終わりの世界は 血の海の奈落に飲み込まれ

「チェーン王国」は

完全に消滅するのであった




まさに危機一髪であった!!



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