第9話 「終わりの世界」チェーン王国

ラックとアオイは

赤い指輪を嵌めた

すると瞬時に時が動き

果てしなく時空を超え 

生命を生み出す命を失った

「終わりの世界」チェーン王国へと舞い降りた


「ここは?」



「そうだね・・・・・うん

はっきりと分かるよ。。

 


『世の終わり』の世界だ・・

もうじき世界の命が 尽きようとしている




アオイ見てごらん!

赤黒く血の気を失った 太陽の欠けた光を

僕たちの世界とは まるで違う・・

なんて悲しく・・侘しい

枯れ切った 心ない人形を見ているようだ


世界の終焉の時が 

あと僅かだなんて・・この世界の人々は 

どのような人生を歩んできたのだろう?

誰にも 見守られず 思い出される事なく

空しく過ぎ去り 消え去っていく 

このようにあっさりと


枯れ果てた建物は 廃墟化し

風が吹かないので 形は保てているが

僕たちの吹く息だけで 

形なく崩れ落ちるだろう





ラックとアオイは

しばらく歩き続けた・・

すると高い丘の上に

唯一残された 建造物を見つけた

それは氷のように透き通ってはいるが

ひどく寂しい造形物である・・



中に入ると 一面ダイヤモンドのような

輝かしい大理石が敷き詰められていた


ラック達は感じた

終わりの世界で

どのような素晴らしい宝石であっても

滅びてしまうのであれば 

何の価値も見出さないのだと・・



「ラック!

サイカ叔父が この世界に来たら

きっとあの宝石の建造物に 飛びつくだろうね!」


「ああ・・それは間違いないだろうなぁ・・

あの人は欲深いから・・」


「ねぇ!見て

王の玉座があるわ!

数千年前 この世界を治めていた権力者が

座っていたようね・・

とても立派ねぇ・・」



王の玉座より

さらに高き所に 祭壇が置かれており

不気味な宗教道具が 壊され、散乱していた


そして視線を壁に向けると

美しい女性の肖像画が 残されていた


「えっ!?

誰かいる・・・」


「まさか・・

誰もいるわけないよ・・・」


ラックとアオイは

壁にかけらた一枚の美しい肖像画を発見した

『魔女オズ・ディス』である

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