(097)   Area 4 People who we lost 梅雨の忘れ物

 --梅雨の忘れ物-- #海


 シトシトと途切れることなく降り続ける雨。

 青、紫、薄ピンク……。紫陽花アジサイは空が雨雲で覆われるこの季節を色とりどりに飾る。


「濡れるぞ。傘をさしていけ」


 小雨の昼下がり、永薪食堂の入り口に立ち、商店街のアーケードに向かってダッシュしようとしていた僕を引き止めるように、オヤジさんの声が背後から追いかけてきた。


「大丈夫です。すぐそこですから。走って行けばたいして濡れないと思うし……」

「そうやって気を抜くから、すぐに風邪を引くんだ。帰りも小雨とは限らないだろ?」


 僕は商店街の入り口の桜の木の横にある美容院に、ランチを配達しようとしていた。


 永薪食堂は商店街の通りの外れに付け足されたように建っていて、店の前にアーケードはかかっていない。永薪食堂からアーケードまでは五十メートルほどあり、小雨なら、走って行けばほとんど濡れない。けれどオヤジさんは、大きな水色の傘を開いて僕に渡した。


 オヤジさんは僕に対して過保護だと思う。


 確かに僕は、ここに来てからしばらくの間ずっと頭痛になったり、目眩を起こしてばかりいたかもしれないけれど、今ではもう普通の生活を送れるようになっている。


 なのに少しでも具合が悪いと、どれだけ大丈夫だと言い張っても仕事はさせてもらえない。『すぐに部屋にいって寝ろ』と言われて、仕事場から追い出されてしまう。

 そうなったらもう、薬を飲んで、寝ているしかない。


 僕はここに連れてこられた日にオヤジさんのことを、ほとんど喋らない無口な人だなぁと思った。けれども、それはどうも勘違いだったようで、普段のオヤジさんは暇さえあれば誰かと喋っている。


 けれどなぜか僕に対しては口数が少なく、素直に感情を表に出していないと感じることがある。いや、出せないのかもしれない。どこか取り繕ったところがあって、ひどく不器用だと感じた。でも、オヤジさんはいつも自分の事は後回しにして、僕や他人優先で物事を考えている。本当に面倒見がいい人なのだ。


 僕はここで働くことができて本当に運が良かった。もし他のMCPと共に国立農場行きになっていたら、素早く適応できずに、今頃役立たずの烙印を押されていたに違いない。


 僕は相変わらず自分の気持ちを言葉にすることは苦手で、言いたいことは言えないことの方が多い。けれど、この生活は穏やかで状況を変えたいとは思わない。


 ただ、このまま時間が進んでいけばいいと思っている。


   ◇     ◇     ◇


 オヤジさんから受け取った傘をさしてゆっくりと歩きながら、僕はここ二ヶ月の出来事を思い返していた。


 今向かっている美容院は、鹿波小春かなみこはるさんという若い女性が経営している。小春さんには三歳の一人娘のコノハちゃんがいて、二人は美容院の二階にある住居スペースに住んでいる。


 二人はいつもは食堂にランチを食べにくるのだけれど、三日前から二人揃って風邪を引いてしまったため、一日二回、僕が食事を配達している。


 移送用のバスに乗り、国立農場に送られると思っていたあの日には、想像もしていなかった方向に人生は転がり、たった二ヶ月で僕の生活はすっかり様相を変えた。


 とても平和な日々で、まるで夢の中にいるようだ。


 この先どうなるのかはわからないけれど、とにかく今はここで、できる限りのことをしていこう。そんなことをぼんやりと考えていたら、あっという間に小春さんの美容院の前にたどり着いていた。


 三日前から美容院のドアには『臨時休業中』と書かれた紙が貼られている。店の右横には細い小道があり、その道を進むと住居側の出入り口として使われている裏口のドアが見えてくる。小道に沿いに店の屋根が、小道にかかるように大きく張り出しているので、傘がなくても雨に濡れずにすむ。


 裏口に着くと、僕は早速インターホンを鳴らした。しばらくすると、インターホン越しに、少し掠れた小春さんの声が聞こえてきた。


「はい」

「こんにちは、永薪食堂です。ランチをお持ちしました!」

うみくん、ありがとう。申し訳ないんだけど、ドアロックを解除したから、二階までランチを持ってきてくれる?」


 小春さんの声には明らかに力がない、昨日より具合が悪いのかもしれない。


「わかりました」


 昨日までは、小春さんがすぐに玄関まで食事を受け取りにきていたので、僕が家の中に入るのは今日が初めてだ。

 僕はドアを開け、家の中に入ると、玄関の下駄箱の脇に傘を立てかけた。一階の店舗は照明が消えていて薄暗く、ひっそりとしている。正面にある階段を上がって短い廊下を進むと、左手に引き戸があった。その引き戸をノックすると、部屋の中から小春さんの声が聞こえてきた。


「どうぞ、入って」


 引き戸を開けると、暖色系カーテンやクッション、ソファーなどで統一された落ち着いた雰囲気の部屋が目に入ってきた。おそらくリビングだろう。


「おじゃまします」


 その部屋の中に入ると、奥の部屋から想像していたよりずっと具合の良さそうな小春さんが顔を出した。


「毎日配達してくれて、ありがとう。本当に助かるわ。雨大丈夫だった?」

「大丈夫です。小雨だし、オヤジさんが心配して傘を渡してくれたので、全然濡れませんでした」

「そっか、よかった。わざわざ二階まで持ってこさせちゃって、ごめんね」


 小春さんの表情が、心なしか曇っているように見える。


「とんでもないです。これくらい気にしないでください。それより、具合はどうですか?」

「私はもう大丈夫。ただ、コノハの熱がまだ下がらなくて」


 僕の立っている位置からはコノハちゃんの表情は見えない。小春さんは、コノハちゃんの寝ているベッドの横に座ってコノハちゃんの手を握っている。


「どうしてかはわからないけど、今日は私がそばを離れるとコノハ大泣きするの。だから、海くんが二階まで配達してくれて本当に助かったわ。一度泣き出すと、何十分も泣き止まないのよ」


 昼食の入った配達用のボックスを置くためにリビングのローテーブルに近づくと、コノハちゃんの姿が僕の目に入ってきた。隣の部屋の奥の窓際にあるベッドに横たわったコノハちゃんは、真っ赤な顔をして小春さんのことをじっと見ている。まるで目を離したら、大切なお母さんが消えてしまうじゃないかと思っているようだ。


「コノハちゃんがぐずるなんて珍しいですね。いつもはすごくしっかりしてて、泣いているところなんて見たことないのに。やっぱり病気になると、心細くなるのかな」

「そうね、そうかもしれない。ただ、普段は私がコノハに無理をさせちゃってるのかもしれない」


 小春さんは、病み上がりのせいもあるのか、心なしか、いつもよりも細くやつれて見える。


「今朝電話で伺った通り、雑炊とサンドイッチをお持ちしました。あと、飲み物も何種類か持ってきたので、ここに置いておきますね」


 僕は配達用のボックスから雑煮の入った土鍋を出した。土鍋が少し冷たくなっている。


「あの、小春さん。雑炊が少し冷めてしまったので、もし、キッチンを使っても良ければ、温め直しますが……」

「助かるわ、ありがとう。キッチンはあのドアの向こうにあるわ」


 僕はキッチンに行くと、雑炊の入った土鍋を火にかけた。


 キッチンの流し台の向こう側にある小さな窓から外を覗き見ると、梅雨の少し薄暗い空が広がっている。この雨はいつ止むんだろう? 降り続く雨が嫌いなわけじゃないけど、もう少し明るい空が見たい。


   ◇     ◇     ◇


「海くん、永薪さんのところに来てしばらく経つけど、ここでの生活にはもう慣れた?」


 温め直した雑炊を持ってリビングに戻ると、隣にあるコノハちゃんの寝ている部屋から小春さんが話しかけてきた。


 僕はローテーブルの奥にあるソファーに座って、配達用のボックスから飲み物とサンドイッチを出して、ローテーブルに並べていく。コノハちゃんは小春さんがそばにいてくれて安心したのだろう、さっきまでぐずっていたのが嘘のように、ぐっすりと眠っている。


「はい、だいぶ慣れました。でも仕事はまだまだで、出来ないことだらけです……。だけど、オヤジさんは本当に良くしてくれているので」


「そっか、よかった」


「ねえ、海くんが商店街に来たばかりの頃に、私とコノハがランチを食べに食堂に行った日のことを覚えてる?」


「はい。あの時はまだ、僕は店のことは何も出来なくて、オヤジさんの後ろを追いかけているだけでした。そうしたらコノハちゃんが僕の後をつけてきて、『お兄ちゃん、お名前は?』って聞いてきた。海だって答えたら『海兄ちゃん、海兄ちゃん』って……」


「ランチを食べ終わっても帰りたくないって駄々をこねて、海くんのところに走っていちゃった。無理やり連れて帰ろうとしたけど、永薪さんがしばらく預かるって言ってくれて、私は一人で買い物に行くことになったのよね。あの日は用事がたくさんあったから、コノハを預かってもらえてとても助かったの」


「小春さんが買い物に行ってしまっても、コノハちゃんは飽きもせずに、夕方まで僕のことを追いかけてました」


「そうそう。迎えに行っても、まだ帰りたくないって」


 小春さんは僕と目が合うと、目を細めてコロコロと笑った。


「結局その日は、夕飯も食堂で食べることになった」

「そうでしたね」

「そして、ご飯を食べてお腹がいっぱいになったら、コノハ、椅子に座ったまま寝ちゃったのよね」


 小春さんは思い出を懐かしみながらも、なぜか少し寂しそうな顔をした。


「あの、コノハちゃんの具合はどうですか?」

「あと二、三日もすれば元気になると思うわ。ただ……」

「ただ?」

「あのね、実は私とコノハ、ここを出ようかと思ってるの」

「ここって、DA3をですか?」


 牧さんのことがあってから、僕はこの土地に留まり続けることの難しさについて考えていた。だから、小春さんの考えを聞いてもさほど驚かなかった。


「そう。今が潮時じゃないかと思って……」

「ずっと前から考えていたんですね」


 僕がそう言うと、小春さんは少し寂しそうな表情をして頷いた。でも迷っている様子はなく、気持ちは既に固まっていることが彼女の口調から伝わってきた。


「うん。ここに残りたい気持ちがないわけじゃないけれど、ここを出ることは両親にも伝えたわ。私は元々この地区の人間じゃなくて、親の仕事の都合で高校生の頃に引っ越してきたの。だから、この土地に縛られているわけじゃないし、いつでも出て行けた。それに二年前、両親には仕事のプロジェクトを終えた時点でDA1に戻るように辞令がおりてね、その時、一緒にDA1に戻らないかってその時に誘われた。でも……」


 ここまで言うと、小春さんは言葉が喉に支えたようになり、押し黙ってしまった。でも僕は、この先を無理やり聞き出すようなことはしたくなくて、ただ耳を傾けたまま待った。


「コノハの父親のこと、話したことあったっけ?」

「いいえ」


 僕は首を横に振った。そう言えば、コノハちゃんは『ママはね、ママはね』とは言うけれど、父親や他の人について話しているのを聞いたことがない。


「彼とはね、この土地で出会ってここで結婚したの。だから、彼が事故に遭ってこの世界からいなくなってしまってからも、やっぱり私はここを離れたくなかった。この場所から離れたら、本当に彼とさよならしないといけない気がしていたの」


 小春さんの目線の先には家族写真が飾ってあった。


 コノハちゃんが生まれたばかりの頃の写真には、コノハちゃんを抱いている男性の嬉しそうな姿が映っている。


 穏やかそうな人だ。どんな言葉をかければいいのかわからなくて、自分が無力に思えた。僕には、語る過去さえない。どんな言葉で、小春さんの気持ちに寄り添えばいいのかわからない。


「優しそうな人ですね」

「そうね。優しすぎるくらいだった。彼の目の下にある傷が見える? おっちょこちょいなのに人を助けようとして自分が怪我ばかりしてたのよ」


 確かに、左目の下に深い小さな穴のような傷がある。


「不思議よね。この場所に思い出はあっても、死んだ人は戻ってこないし、ここにいるからって思い出が薄れていかないわけじゃない。それでも、ここを離れることで、大好きな人のことが過去になって、一緒に過ごした記憶が曖昧になってしまう気がして怖かった。だからここに居続けることで、彼がいた頃の自分にしがみつこうとしてきたんだと思う。ここを離れなければ、忘れずにいられる。気持ちだけでもずっと一緒に居られるって」


 僕にはここにくる前の思い出は何もない。僕の中には誰もいない。一人で生きてきたはずはないのに、誰のことも覚えていないなんて、ひどく虚しい……。僕には一度だってそんな風に思える人がいたんだろうか?


 小春さんは僕の方を見ながら話を続けた。


「でもね、コノハも私も、海くんのおかげで変われた。海くんに会うまでは、コノハには私だけしかいなかった。だけど、海くんに懐くコノハを見て、私も歩き出さなきゃって思えた。

 コノハが、もう存在しない父親を追いかけて走ることはないのだから、私もちゃんと目の前にある世界を生きるべきだって」


「いいえ、僕は、特別なことは何もしてなくて。ただ、食堂にいただけで……」


「そんな風に言わないで。突然こんな話をしてごめんね。でも、ここを発つ前にちゃんとお礼が言いたかったの。海くん、コノハと友達になってくれてありがとう。あなたが食堂に来てくれて本当によかった」


 小春さんは、瞳に溜まった涙が流れ落ちる前に手で拭うと、空が驚いて梅雨の雨さえ止んでしまいそうなほど、明るく吹っ切れた笑顔を見せた。


「それにね、二人で風邪にかかって何も出来なくなってしまって、寝ている間にたくさん考えたの。そして決めた。やっぱり、両親や親戚のいるDA1に帰ろうって」


「僕、なんて言ったらいいのか……。あの、すみません。小春さんが悩んでいたこと、全然気付くことが出来ませんでした」


 僕の言葉を聞いた小春さんが、キョトンとした表情で、僕を見返した。そして、真剣な顔に戻ると、まっすぐ僕の目を見て言った。


「謝らないで。私、海くんには感謝の気持ちしかないのよ」

「感謝?」

 今度は僕が、予想外の言葉に戸惑ってしまった。

「そう、感謝」

 小春さんの表情が、柔らかくなっていく。

 僕は感謝されるようなことをしたのだろうか?

「コノハがね、コノハが懐いた人は、私以外には海くんしかいないのよ」

「僕だけ?」

「そう、海くんだけ」

「……」


「コノハはね、他人とうまく交わることができない子だったの。何か発達障害があるんじゃないかって近くの病院では言われたんだけど、はっきりしたことはわからないままでね。

 自分の中に閉じこもるコノハを育てながら、私はずっと、不安で不安でしょうがなかった。

 でも、コノハが海くんに懐いてくれたおかげで、もし何かの障害があったとしてもコノハも他の人に興味を持ってちゃんと生きていけるんだってわかった」


「僕、コノハちゃんは、人懐っこい子で、人見知りなんてしないんだって思ってました。僕は本当に何も知らずにいたんですね」


 僕は、今目の前で寝ている小さな子の最初の友達になれたことが、不思議で仕方なく、無性に嬉しかった。


「私から見れば、海くんへの懐き方は尋常じゃなかった。あの日から、ご飯を食べにいくたびにコノハと一緒に遊んでくれて、本当にありがとう。

 コノハにとってだけじゃなく、私自身、コノハから離れられる時間が少しでも持てたことは大きな変化だった。今まではずっとコノハを預けられる人がいなかったから、目の前に流れる時間を、慌ただしい日々をがむしゃらに生きることしかできなかったの。本当に一人の時間を持てて良かった。冷静にこれからのことを考えることができた」


「僕こそ、小春さんとコノハちゃんに出会えて、楽しい時間を過ごしてきました。だから、僕も二人に感謝です」


「でも、やっぱりちょっと心配だな。永薪食堂を引っ越し先に持って行けたらいいのに!」


「コノハちゃんは、きっと大丈夫です。いつも周りのことをよく見ています。

 オヤジさんの調子が少し悪かった日には、僕の腕を掴まえて、『海兄ちゃん、永薪のおじさん元気ないみたい』って教えてくれました」


「そっか、そんなことにまで気付けるなんて、知らないうちにどんどん大きくなっているのね。

 ただ、ここを出るって言ったら、海くんと離れなきゃいけないから、コノハはきっとひどく駄々をこねると思う。しばらくは、私を許してくれないかもしれないな」


 そう言って、小春さんは苦笑いをした。


 それから程なくしてコノハちゃんが目を覚まし、二人は雑炊を食べ始めた。


「僕、もう戻らないと。昨日の夕飯のお皿だけ、持って帰りますね。また夕方きます。リクエストがあったら、店に連絡ください」

 僕は配達用のボックスのストラップを肩にかけて、立ち上がった。

「海くん、今日は話を聞いてくれてありがとう。じゃあ、また夕方に」

「はい」

「海兄ちゃん、またね」

 少し顔色が良くなったコノハちゃんが、小さく手を振って笑顔を見せてくれた。

「またね、コノハちゃん。ゆっくり休んで元気になってね」

 階段を下り、一階の玄関で靴を履く。振り返ると、照明の消えた薄暗い美容院が目に入ってきた。


 やっぱり、二人が去ると寂しくなるな。


   ◇     ◇     ◇


「海くん!」


 美容院から出て数メートルほどのところで、僕を呼ぶ声に振り向くと、小走りで追いかけてくる小春さんが目に入ってきた。間もなく僕に追いついた彼女は、「間に合って良かった」と言って、傘を差し出してきた。


 しまった、下駄箱脇に忘れてきたのか。


「すっかり忘れてました。ありがとうございます」

「いいのいいの」

「風邪治りかけなのに、わざわざすみません。コノハちゃん、泣いてないといいけど……」

「コノハは大丈夫。永薪食堂のランチのおかげで元気が出てきたみたい。それに、コノハが傘のことを心配して聞いてきたのよ。『海兄ちゃん、傘持ってるかな?』って。海くんのこと放っておいたら、コノハに叱られそうで怖いわ。

 それに……」


「それに?」


「永薪さんがせっかく渡してくれた傘なんだから、忘れちゃダメよ」


 僕は、手渡された水色の傘を見ていると、心が空のように青く晴れ渡るように感じた。オヤジさん、小春さん、そしてコノハちゃんの、三人の優しさがじんわりと傘の持ち手を伝って心に入り込んでくるような感覚に襲われた。


 そして、この梅雨の長雨がずっと、ずっと終わらなければいいと思った。

 

 アーケードの終わりまで来ると、行きに見た小雨と同じリズムを刻みながら、雨はシトシトと静かに降り続いていた。


 何千、何万の雨粒が天から地へと降り注ぎ、幾重にも重なって響く静かな雨音が僕の鼓膜を揺らし続けた。

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