インタビュー・戦国時代・ベスト10

「私。どうしたら」


 そこでみんが心配そうに氷姫ひめを見ていることに気がついた。ライオンさん側は合図があれば今にもこちらに襲いかかってきそうな雰囲気の中でもだ。


 こちらを気にしないでほしいと思うけれどそうも言ってられないのだろう。戦力として期待されているのもあるが、心配でならない気持ちも伝わってくる。


 それでも。


 どうしていいのかわからない。戦国時代に迷い込んだ現代人みたいだ。逆を言えば氷から目覚めたばかりの当時を思い返される。


 右も左も分からない状況で生きていていいのかわからない状況で生きていいのだと気づかせてくれたのがたすくさんだった。


 それからの想い出は氷漬けになる前とは比べものにならないくらい楽しい日々だ。人生の楽しかったベスト10は氷漬けからあとの人生の中にしかない。


 そしてそんな人生をくれたのは佑さんで。隆司りゅうじくん、つとむさんで。永遠とわさんだ。


 だから。


「これを使ってください」


 手慣れたもので一瞬で氷の剣を作ることが出来た。イメージが固まってきた証拠だろう。インタビューで聞かれてもどう返していいのかわからないくらい感覚的なものだ。

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