おとな・おっちょこちょい・ウソつき
痛みは思ったより少ない。衝撃というか驚きのほうが大きい。
血が出ないようにすぐさま氷で止血したのがよかったのか、あるいはその冷たさで感覚が麻痺してきているのか。どちらにせよ都合のいいことには変わりない。
永遠さんの援護ができればそれでいい。
視線の先に
後ろからドラゴンも追っかけてきているのをみておっちょこちょいだと思わないでもないが、ふたりも必死に考えての行動だろう。全員が助かりながら目標を達成する手段はもうそれしか残されていないのだ。
永遠さんの様子はそれも必死な様相だ。氷姫の援護でようやっと互角。銃という武器の影響だろうが押され気味ですらある。
「氷姫ちゃん。大丈夫?」
夏希さんが近寄ってきて手当を始めてくれる。そのおとなな行動に感心もする。ただ、後ろから追っかけているドラゴンがいなければの話だ。
「大丈夫です。それよりもはやく永遠さんを」
「ウソつき。それで大丈夫なわけないじゃない」
夏希さんの手が当てられたところがぼわっと光り始めると痛みが引いていく。
楽にはなるがドラゴンもどうにかしなくてはならない。永遠さんばかりに集中もしていられない。
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