すべりだい・成人向け・は永久に不滅です
滑り台を滑っているのは
『なあ、氷姫。いつまでそうしているんだ。早く帰って続きをするんだ。お前のその力を欲している連中はまだたくさんいるんだ』
やだ。そう大声を出したくなったけれどそれに意味がないことを理解して声を出すのをやめる。
『……うん。わかった』
あまりにもごねるから連れてきてもらった公園の滑り台だ。しぶしぶだけれど、たまに見せてくれたやさしさ。でもこの後のことを考えたらその優しさなんて少しの風で吹き飛んでしまうくらいだ。
この後、家の関係者のために力を使い続けるのだ。それが何に使われるかもわからないまま。氷の刃を作り続ける。でも今ならそれがなんだかわかる。氷の刃は暗殺に向いている。凶器が残らないのだから都合がいいことが多い。
いまさらながら後悔したところでそれがどうなるわけでもないのは分かっている。自分が手を貸していたことがどれだけ罪深いかも想像しただけで背筋が凍る。
成人向けの話とは思う。とてもじゃないがみんなには話はできない。でもどうして急にこんな昔の夢を見たんだろうか。
ああ。
『ああ。神永は永久に不滅です。ってな全部お前のおかげだ』
そう笑う。実の親の顔は夢の中だからなのかうまく思い出せなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます