みんなの・記者会見・組長

「おいおい。お相撲さんってそんなものなのかよ。そりゃお仲間のみんなを呼びたくなるものも仕方ないな」

「くっ。なんでそんな身体で受け止められるでごわすか……」

「なんでってこんな物語のあふれる街で純粋に筋肉や質量だけで勝てるなんて……そんな夢みたいな話はないだろう?」


 永遠とわさんはお相撲さんを軽く持ち上げるとそのまま地面に叩きつける。あたりの建物が揺れたのではないかと思うくらいの衝撃が生まれる。

 うめき声を上げ、お相撲さんは苦しむまもなく意識を失ったように見えた。


「ああ?なんだ。こんなものなのか。ほんとに仲間が来る前に終わっちまったじゃねぇか。とんだ肩透かしだぜ」


 パンパンとスカートのホコリを払う少女の姿をした永遠さんがやってのけたことを理解はできたが納得はできないでいた。そしてその力が氷姫ひめ自身を氷漬けにして封印していたことに恐怖する。


「おっ。団体さんが来たみたいだぞ。氷姫。こっちきとけ」


 その言葉に慌てて永遠さんの後ろに隠れる。


「ここですぜ組長。ってあの相撲やろうやられてますぜ。あの小娘たちがやったんですかね」


 ぞろぞろと10人ほどが噴水公園を囲むようにずらりと並ぶ。まるで囲み取材の記者会見をするみたいに詰め寄ってくるおじさんたちに永遠さんの服の裾を掴んだ。

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