セレブ・永久保存版・一週間
まるでセレブが登場するかのように派手な登場に
せり上がった噴水の下部には入り口がついていて人がひとり余裕を持って通り抜けられるようなそのアーチからは水が滴り落ちてカーテンのようになっていた。
「すげーなこりゃ。この目で見たところで自分の目を先に疑っちまう。おっ、だれかでてきたぜ」
いよいよお上様とやらがこの場に降臨するのか、集まった人たちにも緊張が入っているのがわかる。そういえば結局似何をしにお上様はここにやってくるのだか、聞いていなかったのを他人事のように氷姫は思い出す。
「やあ。みんな元気にしていたかい?」
現れたのは二匹の人形だった。少なくとも氷姫にはそう見える。その姿は猫と犬をイメージした人が入っているであろうきぐるみだ。しかし、そのことを少しだけ疑っている氷姫もいる。目に見えていることが全てではないとここに来てから学んでしまったからだ。
「はあ。こりゃ永久保存版だね。お目にかかれることはもう二度となさそうだ」
多少お袈裟な言い回しな気がするが、わからないでもない。それくらいには壮大な時間だった。
しかし出てくるなり周りの様子を気にしているあたり、定期的な様子見なのかもしれない。であれば、一週間に一度とかに頻度でお目にかかれそうな気もする。であればそんなにありがたくないのでは思ってしまって、自分で夢のない考えだなぁなんて氷姫は思ったりするのだ。
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