こもりうた・クライマックス・盆踊り
「あ、あれ?」
「こりゃ。敵わないかもな」
同族だと言った。そうなると、今あった魔女と会いにいかなければならい魔女は同じくらいの力の持ち主だなのだろう。であれば、佑たちには勝ち目のない相手な予感がある。
「敵わなくても大丈夫。
心配そうに佑を見上げる氷姫の言葉にハッとなる。確かに勝つ必要はない。助け出せればそれでいい。それだけならどうにかなる気もしてくる。
「ありがとな氷姫」
頭を軽くポンポンとする。それを嫌がる様子もなく受け入れてくれる氷姫の存在が喜ばしかったりもする。
「あれ?なんでふたりが先にいるんだよ。全然着いてこないから置いてこうとしたのに」
どこからともなくあらわれた
「さっきまでこもりうた聞こえてたんだけど。もうやばくて逆に怖くなくなってきたよ。もはや盆踊りでも踊りたい気分だよな」
怖さのあまりにおかしくなってしまったのか。目も虚ろだし、まっすぐ佑の方を見てない。
「どうやら随分と怖かったみたいだな」
その言葉に永遠はうなだれてから勢いよく佑の肩を掴んできた。
「怖かったさ!なんでいなくなったりなんかした!?最初から入りたくなんてなかったのに無理やり連れてこられたらこれだよ!もうさっさと出ようぜ!頼む」
永遠の勢いに氷姫もたじたじだ。しかし暗いマックはこれから。出口に近づけば近づくほどこのお化け屋敷は怖くなっていくのだ。
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