見た目は小学生、でも中身は・港区・週8で

「あらあら。まあ、立ち話でいいでしょ?用件はなに?聞くわよ」


 なかに案内してくれるきはないらしく。玄関に立たされたまま話が進んでいく。


「あなた魔女って呼ばれる人を知ってる?大切な人が魔女にさらわれてしまったの。どうしても助けたい。どこにいるか知ってたら教えてほしいの」


 見た目は小学生、でも中身は昔から生きながらえている大人びた語り部。その氷姫ひめがしっかりと自分の思いを告げている。それを聞いている見知らぬ女性もうんうんとうなずきながら同情してくれているのか真剣に話を聞いているように見える。


「そうなのね。大変な思いをしているのはわかったし。助けたい気持ちを伝わってきてる。でも私も魔女である以上、同族を売ることはできないの。ごめんなさいね」


 たすくはその言葉を聞いて身構える。彼女も魔女だというのか。


「あらやだ。警戒しないでよ。私は港区住まいの魔女。ここも仕事の休憩場で特別に作っている場所。そもそもあなたたちに危害を加える気なんてなくし、あなたちから尋ねてきてそれはないんじゃない?」

「港区なの?」

「そう私は港区。あなた達が探してるのはおそらく東毛区ね。でもそこにいるかどうかはわからないわ」


 佑をよそに話が進んでいくのはいい気分ではないのだけれど。教えない言っている割には情報が飛び出してきて驚いく。


「うん。ありがとう。じゃあ、行ってみるね」

「私が話したのは内緒でお願いね。バレたら週8で彼女の手伝いをしないとならなくなるから」


 魔女同士の誓約でもあるのだろうか。知らない文化に踏み入れないほうが良さそうに思えた。

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